第9話 スキル
教会に入ると司祭に出迎えられリットは司祭に用があり談話室へ。ニックは洗礼を受けるために洗礼部屋へと案内された。
洗礼部屋に入ると中央に台座が置かれていた。
「ニック様、こちらの台座に手をかざしてください。」
同席した神官が促す。
ニックは言われた通り台座に手をかざした。
すると突然台座がひかり、文字が浮かび上がった。
「な、なんと…」
神官は浮かび上がった文字を見て驚く。
そこにはなんとふたつのスキルが浮かんでいた。
商業スキルと魔法スキルであった。
「ふ、ふたつも授かった!?」
ニックも驚き、神官に尋ねる。
「は、はい。ニック様はふたつスキルを授かっておられます。それもどちらも上位スキルです…」
なんとどちらも上位スキルだと言う。
「すぐご領主様に伝えてまいります。」
神官は急いでリットを呼びに向かった。
「まさか…ふたつも…しかも上位スキルって…」
そんなことを口にしていると神官と共にリットが入ってきた。
「ニック、聞いたぞ。まさかふたつも…それも上位スキルだと言うじゃないか!」
リットはかなり興奮している。
「はい、父様。商業スキルと魔法スキルです…」
「な、なんと…神よ、ありがとうございます。」
「神官殿、魔法スキルは魔法が使えるようになるスキルだと知っていますが、商業スキルは具体的にどんな事ができるようになるのですか?」
ニックは神官に質問をする。
「商業スキルは商業に必要とされる能力を手に入れることができます。例えば、アイテムボックス。異空間にモノを収納できます。他にも鑑定を使うことが出来、何が使われていのかなど知ることが出来ます。」
「なるほど…これは商会でも活かせそうだな…」
ニックとしては新たな事業に生かせるためかなりありがたいスキルであった。
「領主様、ニック様、スキルはこの後王都の本部に連絡しなければなりません。これは洗礼を受けた場合必ずしなければなりません。もしかしたら後日王都より使者あるいは呼び出しがあるかもしれませんがご了承ください。」
神官はそう言うと洗礼部屋を出た。
「ニック、とりあえず我々も戻るとしよう。このスキルについて話がある。」
「わかりました。」
リットの顔は先程とは違い少し深刻そうな顔に変わっていた。
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屋敷戻り、リットの執務室にいる。
「ニック、スキルのことだが…必ず王都から目をつけられる…」
「そうなると…」
「うむ、管理下に置きたがるだろうな…」
リットは頭を悩ましていた。
対してニックは頭の中で考える。
(要は、国が手を出せなくすればいいんだよな…)
「父様、ひとつ提案があります。」
「ん?聞かせてくれ、」
「それはローザ商会を国1番の商会に成長させ地位を築けばよいのではないでしょうか?」
まさかの提案であった。
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