コトノハ探偵の事件簿

ちょこみんと

第1話 創め

【注意】

今作の全ての主人公には2つの能力があります。伏線から能力を予想しながらお読みください。






魔法。皆が憧れ、求めるもの。多分。そんなものはこの世界にはない。ビームを撃ったり、爆破したり。そんなものはこの世界にはない。もう一度言う。そんなものは無いのだ。


その代わり、この世界には…異言語というのがある。


いわゆる言葉の異変。物を完全に治したり、人の体を乗っ取ったり、体から炎を発したり…種類は様々である。要するに魔法「のようなもの」だ。


これは、そんな世界でも最高ランクの異言語能力者達の物語である…




やあ。俺は凪。星乃 凪。

って言っても、特徴も何も無いただの高校1年生だけどね。

実はこの私、隠された能力があります!

時間を止められる能力者です

なーんて。ファンタジーみたいな事があったらいいのにな

ま、今日も学校やし。変な妄想してないで授業とかだるいけどやるしかないよな。


「なーなー、学校の近くの道路で誘拐事件があったんだって」


「しかもこの高校の生徒だったらしいよ」


「怖いね〜恨みでもあるのかな?」


この学校、海名園高等学校はけっこー頭良さげな生徒しかいない。県大会常連だったりする、結構凄めな所だ。凪はそこの生徒である。


「ねー凪、あの噂聞いた?」


あ、こいつは綺羅星 陽向。

俺の幼馴染。こいつのせいで無限に学年一位取れないんだよな。ちょっと殴りたい。


「んー?ああ。あの誘拐がどうちゃらってやつ?あんなの単なる噂に過ぎないだろ?」


「ほんとだったらどうするの?」


「俺が潰しに行くだけだぜ」


「ださい」


「うっせ」


「そういえばお前なんか剣道の大会で優勝とかしてなかった?」


「まあ…せやな…お前まさか」


「竹刀とか持ってったら勝てんじゃね?」


「馬鹿か。銃とか持ってたらどうすんだよ」


「まあさ…いけんじゃね?ほら、なんか動画でみたよ、弾丸を避けるやつ」


「それは避けるじゃなくて外れるって言うんだよ」


「いいじゃん、あの通りに行ってみようよ」


「まあ…暇だしいいけど…誘拐されたらお前の責任だぞ?」


「え!?凪あの通りに行くの!?」


周りにたむろってた奴らは、凪の話を聞き騒いでいた。


「まじかww勇者じゃんww」


「でもさ、明日凪がいなかったら…そういうことだよな」


「おい凪!帰ってこいよ!」


「まあ…行けるっしょ」


「随分乗り気だね」


そして放課後。あの通りに来た凪。


「…誰もいないんだが」


「おいお前。動くんじゃねえ」


何も考えずに突っ立ってた凪は背後にいる犯人に気づかなかった。

普通に背後を取られてる。


「えっ」


「動いたら撃つ。抵抗せずにこっちに来い」


何も言わず凪は左腕を後ろに下げ、腹を殴る。


「うげっ」


よろめく犯人に、凪は突きを食らわせ吹っ飛ばす。犯人は吹っ飛び頭をぶつけて気絶する。

と、その時。共犯者が出てきて、凪を取り囲む。


「おいお前これ以上抵抗すると殺すぞ?」


「ちょ、こんなに居るとか聞いてないんだが、ちょ、ちょっと待ってくれ」


凪は後ずさりしながら助けを乞おうとする、がその目はなにか考えがありそうなめであった。


「待つ訳ないだろ?さあ、こっちに来てもらおうか」


「うーん…お、やっと来たか」


「えっ?」


凪は誰もいないところを指さし言った。犯人たちは視線を逸らした。そこを狙って凪は通りの地面に突きのような動きをする。その衝撃で通りのコンクリートブロックを飛び越え、逃げ回る。


「へっ!俺の方が1枚上手って訳だ」


逃げながら凪は呟く。その前には1人の生徒がいた。


「あれ、凪じゃん。生きてたんだ。どうだった?」


逃げ回った先にいたのは陽向だった。幼なじみなんだからちょっとくらい様子見に来てくれてもいいじゃんか。


「まあフルボッコには出来なかった、逃げてきたよ」


「流石、逃げ足だけは早いよね凪って」


「うるせ」


「で?これからどっか行くの?」


「あー、コンビニでも寄って帰るかな」


「へー、私は帰るかな」


「じゃ、コンビニすぐそこやし。じゃあね〜」


凪はコンビニに歩いていく。そのコンビニから、1人の客から、あの伝説が始まるとは、凪には知る由もなかった…

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2024年6月29日 12:00
2024年7月3日 12:00

コトノハ探偵の事件簿 ちょこみんと @poteymo1024

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