My king My master -私と王の哀しみが溢れるこの世界を誰もが笑える世界に変えていく物語-

黑兔

第1章 始まりの刻

第0話 ずっと探していた、貴方に会いたくて。

 春の陽気な日差しが降り注ぐこの日、私は此処に降り立った。頭の中で描くのはそのとしに合わない綺麗な笑顔で笑う小さな背の少年の顔。

 



 私があの日出会い、いとも簡単に私を閉じ込めていたあのくらくらい場所から救ってくださった貴方に、あの日あの瞬間ときから私の昏いちっぽけな世界全てを彩る色彩をつけてくださった貴方に。



 

 そして私はあの日あの笑顔の中に見た、その年に似合わないさみしげな笑顔を思い出して、一歩ずつ歩みを進める。




「リル様、次は私に貴方の世界を彩らせてください。この世界が貴方の世界の色を奪っても、私が貴方の世界を彩らせます」




 そう呟いてレイは歩む。これまでもこれからも進んでいく。今まで嫌いだった暗がりを。

 




  彼と出会って別れた時から彼を救い、支える為に『あの場所』の闇を吸い込んだ。ずっと、ずっと、の命続く限り、貴方の闇は自分が引き受けよう。





  全ては暗がりを照らす彼のを導くために。





  自分に光はいらない。もう一生分貰ったからだ。

 




  強いて云うなら彼の笑顔を傍で見ていたい。

 




  彼が結婚して子供が出来て、孫が出来ても、年寄りになっても彼を支えて居たい。

 

 



 そんな未来が訪れるかはこれからのレイ次第であるが、レイは知らない。

 

 

 

 此の世界には昏さを抱える者ほど人を魅せる。レイもその一人であった。





 彼の力は微々たる物、だが小石も大岩にぶつかれば軌道を変える。レイとリルが出会ったのが

 必然であり偶然であったのか、それとも×××であったのか…





 此の物語はこの世にに生誕したある小国の偉大なる王と出逢い、人生が180度変わってしまった

 世界一『不幸』元孤児の      









 王を、世界を、全ての不幸を捻じ曲げていく、














 幸せな物語である。

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