カットって...ぶっちゃけどうなの?

皆さんご存知の通り、わたしはシャンプーマンです。ですが、常にカットの練習はしてるんですよ。


 カット……まさに美容室では、メインとされるメニュー。誰もがスタイリストという、その頂きを目指し、毎日のように研鑽を積んでいく。


 ワンレンボブ、ロングレイヤー、グラボブ、ショートレイヤー、スクエア


 なんか聞いたことあるでしょ。これがベーシックカットと呼ばれるものです。


 まずは、これをひたすら切るのです。カットウィッグという首だけの人形を購入し、坊主になるまで刈り込んでいく。この首だけ人形……夜、見るとめっさ怖い。


 お店の戸締りの際、真っ暗なスタッフルーム……並んだ首だけ人形は、まるでこっちを見ているかのような気配を放つ……


 ハッと後ろを振り返る、わたし……キャア〜!


 とは、なりませんけどね。でも不気味。


 ハッとカットの話をするはずだったと、気付いたので話を戻しましょう。


 でも、ベーシックカットって基本なんだろ?出来るでしょ?楽勝、楽勝……じゃない!むしろ一番難しい!なんなら今、現役でスタイリストとして活躍してる人でも、ワンチャン無理!


 ワンチャン無理って、わけが分かんないけど、それほど難しく……そして大事なんです。


 個人的にこの中で、もっとも難しいのは……ドゥルルルル、デン!(ランキング効果音)


 スクエアカット〜!


 その名の通り、四角に切ること!四角に切る?なんだよそれ、意味がわからないよ!教えてシャンプーマン!


 文章で伝えるのはひじょ〜に難しい。これ……髪の毛を1センチのスライス幅に取り、その引き出したパネルを床(地球)に対して水平、垂直にカットするんですが……少しでも角度を誤ると……絶対に四角にならないんです!


 カットはスタイルごとにテストがあり、一つ一つ合格していくんですよ。例えばこんな感じ!


 ロングレイヤーはごまかせる(角度90°以上)、90°以上だから別に100°でも115°でもOK。判定がゆるいよね。まぁいける。

 

 制限時間18分以内


 グラボブもごまかせる(角度45°以下)、これも30°でも40°でもグラボブだし、判定ゆるゆる。まぁいける。

 

 制限時間15分以内

 

 スクエア……これだけ難易度爆上がり(ピッタリ90°)

 たった一つのパネルミスが左右の長さに影響を与え、自分がどこでミスったのかすら分からなくなる、いにしえのカット。

 

 制限時間18分以内


 実はこのスクエアカット、むず過ぎて誰も合格出来ないからと、ちょっとくらいレイヤー気味でもまあいいか!ってなったんです……


 わたし……気になります!


 スクエアカットなのに、グラ気味、レイヤー気味って気持ち悪い!


 きっちりスクエアにわたしは切る!


 そう宣言した……ああ、なんてこった。次元が違う


 後悔してます……1センチのスライス幅、水平垂直に切る。切ったパネルを5ミリ取り、そこをガイドにまた1センチのスライス幅、水平垂直に切る。また5ミリ取り……切る……切る……もし左右が完璧な角度ならトップはピッタリ水平につながる……はず……3ミリの誤差が出る……ウソだろ


 おいおい、お前、もうスクエアは良くね?覚えることいっぱいあるし、これは合格でいいだろ!


 いや……気持ち悪い。無理なのだ、無理なことが無理なのだ。


 もう何体目だろう、この子達(カットウィッグ)……慎重に切れば出来る時もある!だが25分はかかるのだ。20分を切るとなると、焦りからミスが出る。


 ほんの数ミリの誤差が、トップに辿り着く頃には、数センチの誤差になる。


 シャンプーマンとして極めつつあるわたしだが、目の前に巨大な壁が存在する!


 高ければ 高い壁の方が 登ったとき 気持ちいいもんな まだ限界だなんて 認めちゃいないさ


 by Mr.Children 終わりなき旅


 これを聴きながらひたすらやるべし!

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