この世界の片隅のシャンプーマン
いらっしゃいませ。
「わたしはシャンプーマン」の世界へようこそ。皆さんもシャンプーが好きですよね。この世界にも引き込まれてるんでしょ?えっ?別に引き込まれてない?そうですか……
しかし!
あ……すみません、急に大声を出したりして……引き込まれてないなんて言うからついチカラが入ってしまいました。
しかし、夢の世界へは引き込めます!引き込むんですよ、わたしのシャンプーで。
お客様をシャンプー台へお通しする、座って頂く、シャンプー台を倒す。
ストップ!「座って頂く」、ここ大事ですよ。座り方がかなり重要なんです。しっかり真ん中に座れていますか?端に座っていませんか?しっかり姿勢をまっすぐに座らないと身体が斜めになりますよ。
そして首だけ曲がる……眠ってしまった時にえらいこっちゃです
斜めになった身体は頭を持ち上げた際に痛めやすいですし、ぐわんぐわんと安定しない。
わたしがシャンプーをさせてもらう際には、お客様にピシャッと真ん中に座ってもらうようにしてもらってます
「#%<€$+=>?」
ふぅ……どうやら夢の世界へと旅立たれました。ん?何を言ってるんだと思ってるでしょ。これはお客様の寝言ですよ
こんな世の中です、来店されたお客様は当然疲れてらっしゃいますからそういう事もあります。
下手したら寝言のお客様と会話をする事もあるぐらいです。
あまりに綺麗な発音で寝言を言うのでわたしも普通に受け答えしていたら途中から辻褄が合わない……あれ?と思うと、寝言かぁい!……失礼しました。
嬉しいんですよ、わたしはそれを幸せに感じてますから大丈夫です
夢の世界へ旅立たれたお客様は、寝言もそうですが寝ている間にどうしても斜めに傾いてしまう場合もあるんです。
斜めじゃないと落ち着かないとかもあるかもですね。かくいうわたしも少し左に傾いているそうです
わたしクラスのシャンプーマンだと、斜めになったお客様を気付かないうちに真っ直ぐに矯正出来ます。ハァ?何言ってんだ、となりますよね
まず始めに真っ直ぐ座ってるはずなので斜めの原因は首ですね。
首の「
わたしクラスだから出来るんですよ
水平に寝てらっしゃるお客様を水平に引っ張ります。もちろんお客様はすでに夢の中ですので気付きません。
まさかそんな事をされているとは思わないでしょう。もしかすると夢の中でエステや整体にでも行ってらっしゃるかもですね。
ですがこれはシャンプーです。ただのシャンプーですけどそのへんのエステには負けませんよぉ〜……。
ふぅ、お疲れ様でした。シャンプー後のお客様の背筋は真っ直ぐとなり血流も良くなります。
えっ?いったい何者かって?わたしはシャンプーマンです
ですが、シャンプーを極め過ぎてスタイリストにさせてもらえるかどうか心配なシャンプーマンです。
決してカットの技術が成長しないわけじゃないんですよ。後輩のためにもさっさとスタイリストにならないといけませんね。
目の上のたんこぶってやつですから……さぁ頑張ろう……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます