第31話 断罪
「ナリアンヌ嬢!……」
言葉を紡ぐことのできない殿下に、わたくしは返答します。
「殿下。王族たるもの、一度発した命令を撤回することはできません」
そう微笑み、メルテウス様に視線を向けます。このお方は、いったいどこまでご存じだったのでしょう?
「わたくしは、メルテウス様と一緒に隣国デゼール王国に参ります。共に来てくださる方はいらっしゃいますか?」
「「「おぉぉぉぉぉぉ!」」」
「我が国が……」
今更現れた国王陛下のお姿に、国民はきがつきません。後ろにいらっしゃるお母様は、なぜか満面の笑みを浮かべています。
「陛下。わたくし、さくっと隣国デゼール王国を侵略して参ります。属国となるお気持ちはありますか?」
「……ハーマート公爵家を失った我が国に、未来はない。属国に下らせていただけないだろうか?」
「喜んでお迎えいたしますわ」
わたくしは、お母様とお兄様、ばあやにメルテウス様。そんな少数メンバーで隣国デゼール王国へと向かったのでした。
「宗主国のナリアンヌ様に逆らったのだ。温情をかけられた者以外は、覚悟するように」
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