異世界召喚された戦隊ヒーローの追加戦士、追放されたので我が道を行く

ヒカリ

第1話「決戦、そして転生」

地球の平和を守る為に戦う、6人のヒーローがいる。

1億2000万年前の地球に存在した超古代の伝説の生き物「ダイナゴン」。

彼らの力を現代に呼び覚まし、その力と正義の心で宇宙からの侵略者「ダーベイーン」と戦う6人のヒーロー……その名も__



「太古戦隊……ダイナセーバー!!」


「来い!ダイナセーバー!!」


ダイナセーバーとダーベイーンの一年もの戦いは今、クライマックスを迎えようとしていた。

ついに全ての幹部を倒し、大首領「スターグラッパー」との直接対決に挑むダイナセーバー。

ダイナセーバーは果たしてスターグラッパーを倒し、地球の平和を掴む事ができるのだろうか……。


「最初から全力で行くぞ!」


「「「「「おう!!」」」」」


「ブレイブザウルス!カードスキャン!」


ダイナセーバーのリーダー、ダイナレッドは声高らかにそう言いながら、腰のカードホルダーからダイナゴンの力が宿ったカード「ダイナミックカード」を取り出し、変身アイテム「ダイナチェンジャー」でスキャンする。


[ブレイブザウルス!ヒアウィーゴー!]


するとカードをスキャンしたダイナチェンジャーから電子音声が鳴り、レッドがチェンジャーのボタンを押す事で彼はスーツの上から更に黄金の鎧を身に纏った最強形態「スーパーダイナレッド」へと変身した。


「スーパーダイナレッド!!」


改めてそう名乗るダイナレッドと、それに続いてレッド同様最強形態にフォームチェンジするブルー(男性)、イエロー(女性)、ブラック(男性)、ピンク(女性)。


「スーパーダイナブルー!!」


「スーパーダイナイエロー!」


「スーパーダイナブラック!」


「スーパーダイナピンク!」


5人の戦士が最強形態に変身する一方で、追加戦士のシルバーは特にフォームチェンジはしない様子だ。

彼には最強形態が無いのである。


「シルバーよ、貴様だけ強化形態は無いのか。」


「フン、俺様は十分強いからな。」


「そんな生意気な事……いつまで言ってられるかな?」


「行くぞ皆!!」


「「「「「おう!!」」」」」


そうして地球の平和を賭けた最後の戦いが始まった……。


「ザウラガジェッター!ガンモード!」


ギュン!ギュン!


スターグラッパーに対して銃型の武器を使って攻撃をしかけるダイナセーバー。

だがスターグラッパーは透明なシールドで身を守る。


「ウソ、効いてない……!」


「直接攻撃するしかないみたいっスよ!」


ダメージを与えるにはザウラガジェッターのソードモードで直接攻撃するしか無いと解析したブルー。

それを聞いて我先にと敵に攻撃を仕掛けにいったのは……


「なら話が早ぇ!」


「待て!シルバー!」


我先にと駆け出したのはダイナシルバーだった。

だがそれを敵が許すはずはなく、突っ込んでくるシルバーに苛烈な攻撃を繰り出す。


「やはりお前は大馬鹿者だ!!燃え尽きろ!!」


スターグラッパーは手元に杖を呼び出し、それを天に掲げる事で空から落雷を落としシルバーに攻撃をしかける。


ドゴォォォン!!ドゴォォォン!!


「うぉぉぉぉぉぉ!!」


「シルバー!!」


だがシルバーは負けじと、ダイナミックカードをシルバー専用の変身アイテム「シャインチェンジャー」でスキャンしダイナゴンの力を発動する。


「パラソルドン!!」


[パラソルドン!レディゴー!]


シルバーが使ったのは「パラソルゴン」というダイナゴンのカード。

頭上に傘のような形のシールドを展開し、これによって落雷から身を守りつつスターグラッパーの元に近づいていった。


「シャインサーベル!うぉりゃー!」


そしてスターグラッパーの間合いに入ったダイナシルバーは、自らの専用武器「シャインサーベル」を手元に出現させ、それによって敵に攻撃を仕掛けようとする。

しかし……


ザシュッ!!


「シルバー!!」


「う……ッ!!」


先に相手に攻撃を仕掛けたのはシルバーではなく、スターグラッパーだった。

スターグラッパーの持っていた杖が剣の形状に変化し、それによってシルバーは切り裂かれてしまったのだ。


「ハハハッ!やはり貴様は大馬鹿者だ!無闇に突っ込むからこうなるのだ!」


「ぐぉっ!!」


さらにスターグラッパーは掌をシルバーの胸に当て、そこから強い衝撃波を放ちシルバーを仕留めてしまった。


「ッ……!!」


「シルバー!!」


「あぁ……!!」


「クソォ……!!」


「……大雅君……!!」


メンバー達の想いも虚しく、シルバーは地面に倒れる。

そして彼の肉体は光の粒子と化して消滅してしまった……。


「……シルバァァァァァ!!」


レッドの悲痛な叫びが採石場に響き渡る……だが返事は帰ってこない。

誇り高きダイナセーバーの戦士、ダイナシルバーは命を落としてしまった__


◇◇◇


「(謎の言葉)」


「(謎の言葉)」


「(謎の言葉)」


「……?」


(なんだここは……俺様は確か……ダーベイーンとの最後の戦いで……死んだと思っちまったんだが……生きてるのか?)


次の瞬間、シャインシルバーこと「白亜大雅(はくあたいが)」は気がついたら見知らぬ場所にいた。

まるでお城のような建物の中で、お姫様のような格好の少女、髭をたくわえた王様のような大人の男性、お姫様のような少女に顔が似た大人の女性、そして鎧を身に纏う兵隊達。


「(謎の言葉)」


「(謎の言葉)」


「(謎の言葉)」


(さっきから何言ってるんだこいつら……これを使うか。)


「キコエラプトル!」


[キコエラプトル!レディゴー!]


大雅は腰のカードホルダーからダイナゴン「キコエラプトル」の力を宿したダイナミックカードを取り出し、ダイナチェンジャーでスキャンした。

自分の分からない声や言葉を聞き取る為のカードだ。


「あ、貴方が今使ったそれは一体なんですか!?」


「それは魔道具か……?そんなもの見た事無いぞ!?」


「私もです……異世界から召喚した勇者よ……その力で魔王を倒してくれるのですか?」


「ま、魔王……?」


大雅はキコエラプトルのカードを使った事でその場にいた人達の声が聞こえるようになったが、彼らは大雅の事を「勇者」と呼んだ。

一体なんの事やら、と感じる大雅。


「俺が……勇者……?」


「そうです!貴方はこの世界を守る為に呼び出された勇者!どうかこの世界を魔王の魔の手から守ってください!」


「うーん……ていうかここは何なんだよ?地球か?ダーベイーンとの戦いはどうなった?ていうかアンタら金髪だし目が青いし……外国人か?」


「混乱しているのでしょう……貴方、彼に説明を……。」


「そうだな……まずは我々の自己紹介とこの世界についての説明をしよう。右も左も分からない事だろうしな。」


訳が分からない大雅は目の前の人物に説明を要求し、女王カーラの提案を聞いた国王アイザックは大雅に自分達の事とこの世界についての事を説明する事に決めた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る