第7話 人間になりたい惑星

【第2章『メガネ転生』登場人物紹介】

私:配信しながら仕事する不良バイト巫女。ギャルから地味メガネに変装中。爆死した。一人称は私。18歳。

神:山神神宮の祭神。正体は自我を宿した地球の中心核コア。早く人間になりたい。一人称は僕。100億歳。


★★★


神「いつものように山神神宮の宮司の息子イケメンに憑依して地上世界を観察してたらさ!突然!地球ぼく本体が爆発して四分五裂してさ!ビックリだよ!僕本体が地殻から外に出るなんてン十億年ぶりだからね!ワーオ!って叫びそうになったよ。いや、僕は惑星中心核だから声なんて出ないんだけどさ。君もその爆発の巻き添えで爆死したんだよね?で、地球爆発というビッグイベントに驚く僕の前に、すぐに出てきたんだよ。地球ぼくを爆発させた犯人、銀河鉄道建設公団のヒトが!例の宮司の息子イケメンの姿を借りてね。なんか、『うっかり地球破壊しちゃいましたゴメン』って言ってた。」


私「で、なんじゃゴルァ!すっぞゴルァ!って恫喝どうかつして、落とし前としてイケメンにしてもらった、と。」


神「まあだいたいあってるんだけど、言い方・・・。」


私「エイリアンのトラックビームが直撃して地球爆発したけど神だから余裕でしたイケメンに転生したけど何か質問ある?」


神「・・・でね、地球を破壊したお詫びに、地球を元に戻した上で願いをかなえてくれるって言うから、『人間になりたい!』ってお願いしたんだよ。」


私「早くイケメンになりたい!」


神「・・・君ホントにマイペースだね。まあ結論から言うと『不可能』だって。惑星中心核である僕は、存在が『人間とかけ離れ過ぎている』ってさ。」


私「残念だし当然」


神「うん、残念ながら当然だね。」


私「あきらめたらそこで試合終了ですよ?あきらめるな!心を燃やせ!」


神「うん、僕もいろいろがんばって交渉してね。『人間と融合フュージョンする』事なら可能ってわかったんだ。」


私「あ、悪魔合体・・・あーそれで宮司の息子の『イケメンの肉体』を乗っ取ってイケメンになりおおせたと。なじむ!なじむぞ!」


神「いや、それがね・・・」


神様の話によると、神様と人間との「悪魔合体」の条件として

①合体相手の人間は元々神の信徒である(信仰心100%)

②合体相手の人間が合体に同意している

③合体解除はできない

・・・という3点がエイリアンから提示されていて、さっそく例のイケメン君(宮司の息子・とても信心深い)に肉体の提供を要求したけど断られたんだそうな。


私「信仰心100%なのに断られたんだ?ざまぁ!」


神「うん、しょうがないよね。いくら信心深くても、自分自身が消滅するのはイヤだろう。体を「借りる」だけならOKだったんだけどね。今も彼の体や脳を「借りて」いる状態なんだ。」


どうせならイケメンになりたいよね。だが断られてて草生える。


神「それで、条件の『信仰心100%』ってのがネックでさ。この地球上に人間が100億人いるのに、僕への信仰心100%の人間は全世界でたった2人しかいなかったんだよ。」


私「あー、宮司か。」


神「残念、宮司は別の神社の宮司を兼業していて、僕への信仰心100%じゃなかった。」


私「えー。じゃあもう一人の、信仰心100%イカレ出家信者って誰よ?」


神様はスッと私を指さす。は?私?


★★★


次回に続く!

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