地球転星★銀河鉄道建設公団のトラックビームが直撃して地球が爆散した件

平伍頼直(へいご・よりなお)

第Ⅰ部 地球爆散

第1章 トラック転生

第1話 突然、地球爆発!人類滅亡!

地震かな?

しがない勤め人である俺は朝食を済ませ、いつものように出勤の準備をしていた。

揺れているな。

お、緊急地震速報が・・・って、うわぁぁぁぁぁぁぁ!

家がメチャメチャに揺れている。やべぇこれ・・・ハァ?

窓の外、建物が吹き飛び地面がめくれ上がって・・・俺の家が飛んでいる。

爆発事故?巨大地震?そんじゃもんじゃねえ。破滅的な何かがおきている。衝撃で呼吸ができない。なんなんだよこれ。家ごと上空に吹き飛ばされ、窓から地上が見える。いや、地球が・・・爆発している・・・。

なんだよこれ、悪い夢なら早く覚めてくれ。呼吸ができないまま俺は宇宙空間に投げ出され、死んだ。


★★★


「申し訳ございませんでした!」


誰だよ?てか、俺、死んだよな?ここはどこだ?あの世ってヤツか?


「このたびは本当に!本当に!申し訳!」


なんか、土下座してるヤツが叫んでいる。

いーから、おまえナニモンだよ?


「ワタクシ、銀河鉄道建設公団渉外担当でございます!」


土下座して叫んでる野郎が顔を上げニヤリと笑う。

見覚えのある顔だ。っていうか、この顔、俺じゃねえか。

俺のそっくりさんだコイツ。


「銀河法の規定により、異星人との交渉は交渉対象の疑似クローンを用いる事となっており・・・」


あぁ?銀河?何だって?

俺のそっくりさんが意味不明の事を言い出したので、ジャストモーメン!どういう事なのか小一時間問い詰めてみた。

そっくりさんが気持ち悪いニタニタ笑いを浮かべたまま説明した内容をまとめると、こうだ。


①地球外生命体が運営している銀河鉄道建設用のトラックビームが事故で地球に命中、地球は爆散した。申し訳!

②原因者である銀河鉄道建設公団は被災者に対して損害賠償する用意がある。

③交渉は公平を期するため交渉相手のそっくりさん(疑似人格コピー)を使用する。

④「事故」で地球上の全生物が全滅している。人類など動物のほか、植物、微生物から金属生命体まで、死亡した全生物に賠償の交渉をしている。


植物や微生物にどうやって交渉してんだよ・・・聞けば「水」「エサ」「分裂」等、欲求を満たす事で妥結してるそうな。マジかよ。

どうでもいいけどこの俺のそっくりさん、ニタニタ笑いがキモい。

なんなんだよ、って思ったが、よく考えてみたらそのニタニタ、俺の愛想笑いの表情だったわ。うっわキッツ。俺の営業の成績悪いのは理由があったんだな。


はー萎えるわ。それじゃさ、チート能力付きで異世界転生とかお願いできるのかな?

俺は彼・・・「銀河鉄道建設公団渉外担当」氏と、損害賠償の交渉を始めた。



★★★



次回に続く!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る