陰に隠れてコソコソする正義

天川裕司

陰に隠れてコソコソする正義

タイトル:陰に隠れてコソコソする正義


ト書き〈いじめ〉


学校のクラスでいじめられていた少年がいた。

その少年には親友がおり、その親友でさえ

クラスで群れができると一緒になって少年をいじめてしまう。

自分の身を守るために。

でもまた少年がその親友と2人きりになると、

親友は「本当にごめん!俺を殴ってくれ!気が済むまでやってくれ!」と

泣いて謝った。


時間が経ち、別の人のお話。

ある職場を離職して、共済積み立て金をもらうのを忘れてた女がいた。

役員「すみません。一定期間を過ぎてしまうと…」

女性「なんでよどうしてよぉ!それあたしのお金でしょう!?」

役員「…申し訳ありません」

そのやり取りを真後ろで見ていた女性が

彼女に近づいて言った。

「ここだけの話なんだけどね、あなたの言ってる事の方が正しいと思う」。


時間が経ち、政治家のお話。

政治家の内に珍しく正しい人がいた。

その正しい人は悪徳政治家の矢面に立ち、

派閥を作られ、集中攻撃を浴びていた。

その正しい人の政治は、正しい人ながら、

彼を知る全ての人が正しいものと知っていた。

でも同じく矢面に立てば、次は自分がやられ、

特に権力を持ってない一般人など

彼らの手にかかれば瞬殺だ。

結局その正しい人は政治家を辞めさせられ、

正しい政治は無くなった。

「結局、日本人に政治なんか無理なんだ」

彼の政治家としての最後の言葉はそれだった。

そして彼に後ろから近づいた人が言う。

「ここだけの話、あなたのしてる事は正しいとずっと思ってました」。


そして現代人はこれらの経過を見て言った。

「まるで悪魔が猛威をふるい、大手を振って大通りを歩いてやがる。

なんで正義が陰に隠れてコソコソやらなきゃなんないんだ?逆じゃねぇかよ」と。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=bMIHk68knsk

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陰に隠れてコソコソする正義 天川裕司 @tenkawayuji

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