第82話 創造神様とのんびりトーク:⑦

 スクリーンに映し出された魔法大辞典で火・風・土魔法の初級魔法を調べた。


 それぞれバレットアローランスがあるが、風魔法でバレットやアローを飛ばすと空気の動きで気づかれそうだから、アローやランスを標的の目・鼻・口の直前に結界で作り出して新幹線のスピードで撃ち込んでやるのが効果的かなとは思ったが、実際に魔物を標的にして使ってみないとなんとも言えないな。


 そういえば妹のフランソワに結界でチョウチョを作って見せた時に、クラークが火魔法で同じものを作り出そうとしたので必死になって止めたのを思い出したので、ここなら大丈夫かなと思い根を詰めて魔法大辞典を読んでいた気晴らしにチョウチョを作って飛ばしてみた。


 飛び回る火のチョウチョと結界で作ったチョウチョの乱舞を見ていると楽しくなってきたので火の鳥を作ってみた。


 某大物漫画家が描いた長編漫画の火の鳥はイメージが違うかなと思い、子どもの頃に見たテレビアニメ『ガッチ◯マン』の科学忍法:火の鳥をイメージして作ってみたら…、カッコイイ〜〜!。


 最初は翼長二メートルくらいにしたが、どんどん大きくしていって片翼三十メートルくらいになった火の鳥が上空を悠然と飛び回る姿は大迫力で、飛び散る火の粉が綺麗だ。


 火の鳥を見あげながら地上したでコレを作ったらみんな驚くだろうなとニヤニヤした。


〚おや、これは不死鳥フェニックスじゃないか、アランに教えたかな?〛


 創造神様がいつの間にかオレの横にいてそう言った。


 神様だけに『神出鬼没』だな…ナンチャッテ。


『これは前世で見たアニメ…動く絵本…で見た火の鳥です』


〚ふ~ん、そうか。この世界にいるから出会えたときが楽しみだね〛


『えっ、そうなんですか…』


 創造神様はニコリと笑って言った。


不死鳥フェニックスの他にも神狼フェンリルもいるよ。アランは毛のあるモノをでたいのだろう?。それらに会えるのを楽しみにしておくがいい〛


〚ところで私は地上したを見回るのに神威を使ったから…補給をしたいのだが…〛


 んーっ、あっ食事ですね!。


 ハイハイ只今ご用意いたしますよ。


 創造神様に焼きたてのトーストにバターとイチゴジャムとオレンジマーマレード・スクランブルエッグ・カリカリに焼いたベーコンとソーセージ・シーザーサラダ・コーンポタージュスープ・フレッシュミルクとフレッシュオレンジジュース・コーヒーを出した。


 オレは和定食でどんぶりメシに生卵・納豆・お漬物・豚汁・焼き鮭・熱いお茶を出して、いただきま〜〜す。


 しばらく黙ってモグモグしていたが、オレは創造神様にきいてみた。


 『先ほど言われたモノたちは『創造神様の加護』をいただいているモノたちなのですか?』


〚そうだよ…モグモグ…私が…モグ…この世界のすべてを見ているといっても、実際に…モグモグ…地上したに影響を及ぼすのは大変だからね。…モグ…あのモノたちがやっているんだ…パリン…〛


 創造神様はいい音をさせてソーセージを噛みちぎるとそう言った。


『最初に細かく分かれたスクリーンを見せていただいたときに、スクリーンを見つめ返したモノがいましたがそのモノたちなのですか?』


〚そうだよ。私が見ていると神威を感じるんだね。あのモノたちは地上したでは『創造神の眷属けんぞく』と呼ばれているそうだ〛


『創造神様の眷属…会えるのが楽しみだな。でもいきなり噛みつかれたりしないかな…』


〚ハハハハハ、あのモノたちは…ゴキュ…私がアランに加護を与えていることを感じることができるから…ゴキュ…襲われることは無いよ…ゴキュゴキュ…〛


 創造神様はフレッシュオレンジジュースを飲み干しながら言った。


〚あのモノたちがどんな姿をしていてどこにいるかを私が教えるよりアランが自分で歴史書や伝説を調べて探しに行くのがいいだろう。そのほうが会えたときの喜びが大きいからね。今すぐは無理だけど、いずれアランがこの世界を見て回りたいと思ったときにあのモノたちを探すのを目的の一つにするといいよ〛


 よーし、運良く神狼フェンリルに会えたら思いっきりモフモフさせてもらおうとオレは心に誓った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る