第13話:第3の戦士

《超弩級次元輸送艦 “さがみ”》

総排水量:108,000トン / 全長:410m / 推進:レーザー核融合システム


 世界各地が混乱と歓喜に包まれている中――

 深夜の太平洋上。

 トラック諸島の間、突然、空間が「音もなく裂けた」


 青白い光がうねりを上げながら空を割り、

 そこから……静かに静かに、巨大な影が滑り出してきた。


 その艦影は、誰の目にも「空母」だったが、見たこともないシルエット。

 艦橋はドーム状で、甲板には巨大な起重機。側面には無数の転送管と収容ハッチ。


 最も異様だったのは、艦尾に刻まれていた文字――


「”おおすみ”型次元特別輸送艦 高天原要塞所属 "さがみ"」


 艦長席にて、その艦の指揮を執るのは、並行世界の“大日本帝国”において、天照直属の“時空派遣軍”司令官にして、日本国再建軍団を率いた男――


 艦長:有賀龍之介 大将

 白銀の軍服に、胸元には異世界での“勲章”が多数輝いている。

「座標到達しました。照合結果、こちらは《第12-E軸世界》――“分断された日本”です」


「やはり……。伊400と雪風、そして天皇陛下の救出と存在感。この世界も“進化する運命”を選んだようだな」


「艦長、ご指示を」


「……我々は、この世界の“日本”を助ける。帝が呼ばれたからには、それが答えだ。」


伊400・艦橋司令塔にて

「艦長!太平洋東部にて……未知の超大型艦を確認! 自己識別信号あり! 受信します!」


「こちら、次元輸送艦さがみ。伊400艦長・日下敏夫少将及び雪風艦長『富嶽武夫』殿。貴艦の戦果を確認し、上位位階“アマツカミ・コード”に基づき派遣されました。本艦には、補給資源・兵器・人材および“並行世界技術”を積載中。要請あらば、即時支援可能。繰り返す――我々は、貴艦と雪風の戦いを支援する。」


 艦内、静まり返る。

「……神が、マジで味方についたな……」 

 日下はニヤリと笑う。

「面白くなってきた……!」


"さがみ"の能力

 次元物資展開システム:破損した兵器や装備を即時修復・再構築

 大規模転送ゲート搭載:日本本土と太平洋各地をリアルタイムで繋ぐ“時空回廊”

 記録管理中枢“八咫烏”:全並行世界の歴史と兵器設計図を搭載するAI

 さらに、搭載部隊として――

 並行世界の高天原直轄陸軍兵団護国烈士隊他多数

 超科学を用いた飛行団暁の神鷲隊

 機械義体兵


 有泉、日下、富嶽……三人の英雄の邂逅

 三艦隊が太平洋中央に集結。


 日下(海中からの刃)

 富嶽(鋭き疾風)

 有泉(運命を運ぶ者)

「この世界の日本は、“生きる資格”があるようだ」

「いや……“取り返す資格”だな」

「さぁ、準備は整った。連合の牙を、へし折る時だ」


【作戦名:黄昏逆転トワイライト・リコンキスタ


「帝都を奪還し、日本を取り戻す」

 さがみ艦内・作戦司令室

 中央ホロマップには、太平洋全域に散らばった旧帝国軍の拠点が点在している。

 中にはジャングルの奥、廃墟都市、さらには火山地帯すらある。


 有賀艦長が、全軍に向けて言う。


「この5余年――我らは裏切られ、忘れられ、埋もれた。だが、帝は帰還し、魂は集い、剣は研がれた。今より“日本の逆襲”を開始する。目標は――帝都・東京!! 我らが奪われたものを、今度は我らが取り返す!」

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