熊は手を煮込んだ

第1話 食欲と肥満

彼の働く会社では今日、定期検診があった。


そして彼は今、彼の働くデスクで悩まされていた、定期検診の結果に。


くそぉぉぉ、この前の検診は全然異常なかったのに、なんで、なんで肥満気味になってるんだよぉぉ。


いや、心当たりはある、大いにある、先週なんて給料日だったから一人焼肉とか行って結構食べたし。


いやでも食べ過ぎたといってもそのあと運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、その後仕事して頭使ってるから大丈夫、カロリーは消費してる。


それに食欲は人間の本能、そう、これは身体が正常な働きをしている証拠! それをもう少し食事量を減らしなさいってあの医者、僕に人間を辞めろと言うのか!?


いや、考え過ぎか・・・・・・・・・でも、食欲は抑えられないし、かといって運動はやる気出ないし〜


うぅ、なんで太るんだ、なんでこの定期検診は僕に現実を突きつけるんだぁぁぁ!


明日からの楽しみを奪われてもう仕事出来ない、帰っていいかな、いやダメか。


その後彼はしばらく仕事に打ち込んだ。


そして彼はあともう少しで家に帰れるというところで気付いた。


そうだよ、さっきから考えてたのだとまるで僕が肥満みたいじゃないか。


違う、僕は肥満じゃない、肥満の一歩、いや二、三歩手前なだけだ。


そう! まだ肥満じゃない!


そして彼は仕事を終わらせて、家に帰った。


「さて、今日は何を食べようかな〜」

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