あの日願った恋の続きを

白玉ヤコ

序章

──敵は本能寺にあり──


1582年、中国地方へ軍を率いていた明智光秀は謀反を起こし、京の本能寺へ攻め込んだ。


信長「蘭丸、一体何事であるか」

蘭丸「光秀様が謀反を起こしたようです!」

信長「光秀か......是非に及ばず」


蘭丸から事を聞いた信長は、寝室にあった武器を手に取ると明智軍に抵抗した。

しかし間もなくして本能寺には火が放たれ、建物は業火に包まれた。


信長「蘭丸」

蘭丸「はっ」


信長は蘭丸を連れて本堂の奥へと向かった。

手にはひと振りの短刀。それはまさに、覚悟の証でもあった。


信長「介錯は頼んだぞ。よいな」

蘭丸「...御意......」


自身の腹部に短刀を突き立てて腹を切る。それをしかと見届けた蘭丸は一片の迷いもなく信長の首を落とした。


信長(蘭丸よ...もしも来世に再び生を受けられたならば...その時は...)


その身は業火に包まれ、やがて意識は途絶えた───

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る