第4話

な、何故急に言葉を理解できるように...?

原因はさっぱり検討がつかないが、この際原因なんてどうでもいい。

神の仕業だろうが、この身体がとてつもなく有能なのだろうがとにかく利用しない手はない。ずっと気になっていたことがあるのだ。

本人に聞いてみるチャンス!!




「あーうーーぇいーあー?」


ろ、呂律が回らん。泣き叫ぶ時以外で声を出した事があまり無いからだろう。言語は理解できても話すことはできないのか...全くもって難儀な身体だ畜生。


...このことを聞き出せるのはいつ頃になることやら。


「...まぁ!ポデロッソちゃんがこんなにも可愛らしい声を出してくれるなんて...!」

「お、お父さん感動で涙が...あと小便が溢れ出てきたよ...!!」

「早く自分で服を洗ってきなさい!」

「勿論でございまーす!!」


確かに両親の前で声を出したのは泣き叫ぶ以外初めてかもしれないから、オーバーリアクションをするのは分からなくもないかも知れない。




────────────


あれから冬を越えて、夏が過ぎてを繰り返して...

俺がこの世界に産まれてから2年が経った。


色々寝る前とかに父や母から話を聞かされてくうちに、分かった事が色々あるので整理していく。


まず、この世界には今までの世界で当然のように存在していた魔物は”存在していなかった”。

が、その事を聞いた次の日から、化け物が続々出現するようになって人々を襲い、化け物たちを総称してモンスターと呼ぶようになって、剣術を嗜んでいた父がモンスター達を

捕獲、もしくは討伐する仕事を始めたそうだ。


次に、これも以前の様々な世界で当然のように存在していた魔法についてだが

恐らく存在していない。というかそれらに関する話題を1つも聞かないので存在していないか、両親が知らないもしくは存在を隠しているか話していないだけか。


後者の可能性は低いと推測して、多分この世界には魔法が無い、もしくは存在を気づいていないかだと思う。


そして外出について。

何度かか玄関の扉を開こうとしたのだが、

両親に阻まれて阻止されてしまう。どうやらこの世界では外出は5歳になってからするという慣わしがあるらしい。


早く外の景色を見てみたいというのに...

窓も高い位置にあって覗けないのが悔しい。

結局は時間が経つのを待つしかないようだ...


因みに未だに上手く話す事はできていない。

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