第329話 滝の前で料理準備!
橋の上で両国の国境門番が俺を見送っている。
「本当に行きましたねさっきの男」
「あゝ大丈夫だろう、通行料も貰ったし、もし溺れ死んでも魚が食べてくれて何も残ら無いからな」
やはりさっきの魚はピラニアなのか?遠くでもよく聞こえる俺の耳。
色々とレベルが上がったからな!
「でもあの船は欲しかったですね、売ってくれれば漁師に慣れて一攫千金なのに」
「それよりも、後から出て来た船は小さいけど早いな!」
「そっちでも良いけど、上流で何かあって船が流れて来ても、夜だと海まで流れて行ってしまいますね」
「あゝ網でも貼っておくか!」
救助用の網かな、助かるけどピラニアに食われる前に助けて欲しい、食われると痛いからね!
「分前は半々でお願いしますよ」
「取引成立だな、お互い夜は交代で川を見ていよう」
コイツら死体漁りかよ、船を拾おうとしているね。
「ではまた明日」
「よろしく」
2人は別れて、関所で指示を出す、俺は絶対死なないと此処に誓って上流に行く。
穏やかな流れが、少しずつ早くなり岩も見えて川幅が狭くなっていく。
川下りならぬ川上がりで、跳ねながらドンドンと進んでいく。
たまにパワー負けして反転するけど、ジグザグ走行で上を目指す。
そして轟音が聞こえてくる、遠目に見えても滝が有る。
「もう少し近づいて、お昼にしようと」
1度滝に近づき、滝壺を見学して河岸に上陸、岩の上の景色の良いところから滝の上を見上げる。
「結構高そうだね、登って落ちても困るので此処まで上流探索は終わりにしよう」
そして岩の上に豆腐ハウスを出して、昼飯の準備をする。
しかしこの豆腐ハウス、岩の上でも突き刺さってビクともしない!
土魔法で竈門を作ってその辺の枯れ枝を拾って来て火を付けて、鍋に水と米を入れて少し炊く。
どうせ気ままな旅、昼飯が夕飯になっても別に支障無しだからね!
待つ事30分、少し蒸らして手で握れる温度まで冷ましておにぎりを作る。
そしてさっき捕まえた魚は変わった、ピラニアが上流にきたら鮎になっていた。
やはり向かって来たので、何匹か殴りアイテムBOXに入れてある。
そして鮎の塩焼きを何匹か作って、オカズにする。
確認のため探索魔法で見たら食用可と出ていた。
「良いね自然の中の豊かな食事、自然を満喫だねー!」
すると声が聞こえてくる、何だろう?
(匂いがするぞ、懐かしい匂いだ、それに飯の匂いもする)
「ええとどちら様ですかね、飯は分けてあげられないですけど!諦めて下さいね」
思わず滝の方に話しかけてしまった、恥ずかしいよ〜。
「フフフ我の声が分かるとは、お主は何者かえ」
やはり声の先は滝の方だった。
「人に聞く時はまず自分から自己紹介しないとダメですよ!学校で習いませんでした」
「何が学校だ、そんな物は知らん!それよりもその魚と米の飯を我に捧げよ」
何が捧げよだよ!あんたは偉いのかね!
「先ずは姿を見せなさいよ!分からない奴に分けるわけないでしょう、大体タダで捧げよ何てどれだけ偉いんですかね!」
お化けじゃあるまいし姿を見せない奴に、俺の飯は分けてやらない!
「出て来ないなら、食べちゃうもんね!」
「待て待て、姿を表すから食べるな」
そんな声と共に、滝が左右に別れて黒い物体が出て来る。
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