第233話 奴らが来た!

少しして女帝シズカは戻ってきた。


「イヤ慌てすぎた、カオリちゃん以下皆さんごめんよ! 明日こちらに護送されて来るアイツらを捌かないとな」

日本語のニュアンスが違う様だ、裁かないとは裁判の裁きだよな?

シズカのは魔物を捌くに聞こえる。


「アイツらの首は氷魔法で凍らせて帝国に帰る、妾を殺した報いじゃよ!」

首を捌くとハッキリ言ったよシズカ、その姿で言うと俺は少しビックリする。


「まぁ私も同じ事をされたら切れて、その場で首を刎ねるわね! シズカちゃんのやる事も分かるは!」

カオリまでもかよ! 最高権力者の2人は、何故か息が合っている。


でも死刑で人殺しか、俺には出来ないな。


魔法であんな事やこんな事をやった事を、都合よく忘れている俺。


そして翌日、副騎士団長さんが、逃亡した暗殺犯人を連れて来た。


「お兄さん捕獲した物達を連れて参りました」

大公より女帝よりも、俺に最初に報告する副騎士団長。


「まあまあ、まずは王女様に報告してくれる」

俺は王女をチラッと見る、すると俺よりも少し前に出てくる王女様。


「ウォホン、では副騎士団長よ、報告を聞く」

「ハイ王女様、我が領主様が帝国の帝女様を殺した犯人を捕まえました。

私と領主様の部下達でこちらに護送して来ました」

我が領主ていつこちらに配属になったの? 女王の米神一瞬ピクピクしてたぞ、副団長。


「では、その者達を受け取ります」

王女は女帝シズカを見て。


「そのまま王国より帝国にお渡ししますよ、女帝様」

王女はサッサと帝国に面倒事を押し付けて、自分は知らないと澄まし顔。


「では受け取ろう、そしてお前達!特に宰相よ、申開きはあるか?」

シズカは、自分の前の犯人達を睨みつける。


「何を小娘!此処から出せ俺は帝国宰相だ! 女帝亡き今は俺が帝国の最高権力者だぞ!

さあ部下どもと一緒に解放しろ!」

「そうだ副騎士団長、騎士団長の俺を解放するんだ」

もう1人が外の騎士に向かって命令する、すると。


「グワー」

騎士団長の太ももに、剣が突き刺さる。


「フン貴様など騎士団長の資格はない、我らは女帝様を守る剣だ!決して裏切りはしない」

やったのは帝国の副騎士団長。


「待て待てまだ妾の裁定はしていない、早まるな!」

「失礼しました、女帝様」

膝を付き頭を下げる帝国副騎士団長。


「まあ良い、どうせ死罪じゃからな」

その行動を見ていた宰相、そして。


「貴様が女帝、姿が違うでは無いか!?」

「フフフ、貴様に殺されて復活したよ、見よこの姿! 若返ったし後50年は帝国を統治出来る!

それには貴様に感謝しよう、ただ殺された恨みは返さないとな、それで妾を殺した訳を聞こう」


苦虫を潰した様な顔の宰相、ただ沈黙している。

「大方誰かに言われたのであろう、妾は高齢だ。皇太子に位を渡す前に謀反を起こして、己がこの国の最高権力者になれば良いとな」


今度はビックリ顔の宰相。

「何故、その事を知っているんだ」


シズカはドヤ顔で。

「全ての情報は筒抜けじゃよ! 妾の情報網を甘く見るで無い、殺されたのはちょっと誤算だがな! 若返って生き返った事で妾はまた帝国に戻れる。

ただお前達は生きては戻さない」


シズカが剣を上げ下げた瞬間、周りから護送車に槍が突き立てられる。

「フン、リンカすぐ凍らせろ、ここの庭を此奴らの血で汚してはならん」

リンカは各人を槍が付いたまま凍らせる。


「後は帝国で首を刎ね、胴体はハンマーで粉々に砕く、ゾンビにでもなっては困るからなハハハ」


う〜ん最高権力者怖いね、元日本人だけどこの世界に染まっている、シズカとカオリは気をつけないと俺も危ないのかもね!


この世界は、人が死ぬのは日常茶飯事である。

















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