第87話 最後の会議!

お城の会議室、4人が入って来ると全員が起立して頭を下げる。


奥の椅子に大公様と王女様が並んで座る、執事長と侍女長は後ろで立っている。


「遅くなったな、会議を始めてくれ」


大公様の言葉に全員が座り、真ん中にいる人が、

「大公様も王女様も揃った、内相始めてくれ」

王様の宣言で内相が会議を進める、そして午前中に会議終了。


「それでは大公様お言葉をお願いします」

王様が大公様に向かって言うと。


「皆よく国を運営してくれている、私は安心してあの世に行けるだろう」

「お祖母様、それは言っては成りません」

突然のあの世に行くと言われ、周りはざわつく。


「まあまあ静かにしてくれ、時間が無い!本日限りこの席に妾はもう座らない、誰が座っても気にしないから、安心してくれ!」

王様より上の席、この国の本当の最上位の権力が座る席だ。


「そして隣の王女には、婿を取らす」

「お祖母様、まだ決まってませんよ!」

「嫌なら、永遠に未婚とこの場で宣言しろ!その方が皆が落ち着くからなハハハ」

王女は下を向いてしまう、そして大公は言葉を進める。


「我が命は神託では、後2・3日! その後体は消滅する、そして復活する時には皆の知らない容姿となっている事だ、だから探さないで欲しい、復活してもこの国の運営には口を出さない!ただ敵対すれば滅ぼすだけじゃがなハハハ」

死んで復活宣言、その言葉にみんなは驚愕する。


「我が領地は王女とその婿の物、此奴が誰を選ぼうと邪魔だけはするなよ!

そして皆の者こんな女に付いて国を繁栄させてありがとう、王も、段々と死んだ王に似て来て、益々この国は栄えるだろう!これが最後の妾の言葉じゃ」

みんな大公の言葉に泣いている、この国の大公の言葉は未来への確信、その言葉が此処で言われた時、未来は決まってしまう。


「では退出しようか王女よ!・・・言い忘れた、今騎士団訓練場の所にある建物はその内無くなる、ただその中の男とは敵対しない事、この国の繁栄を終わらせたく無いのならな!ハハハ」


今度こそ、4人は退室して行く。


会議室に残された物達は。


「王様、どうしますか?大公様の言葉を」

しばし考えて王様は宣言する。


「叔母様の言う事は全て現実となる、今言って行った言葉を全て理解して行動をしよう、我が国の未来はこのまま行けば繁栄して行こう、ただその繁栄には幾つかの課題を残されていった、それを間違う事なく実行して行こう!

まずは、騎士団訓練場に出来た店を偵察して報告してくれ、その中の者の行動を逐一報告、そして叔母様にも密偵を付けてくれ、なぜあの様な事を言ったのかわしには分からないのでな」


そして会議は終わり、みんな部屋から出て行く。


「おい」

何処からか黒い衣装を纏った人物が現れる。

「お呼びで王よ」


「お前達もお叔母様に分からぬ様、あの建物と叔母様を探れ! わしには判断がつかん」


「はい、また結果をお届けいたします」

影の者は立ち去った。


「両親に死なれ俺の後ろ盾となっていた叔母様が亡くなるのか、そして何処かで復活・・・敵対はしたく無いな」

王の呟きは、誰も聞いていない。













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