第56話 逃走!

100も合ったクエスト、ただし幾つかは終わって何かを得ている。

アイテムボックスももらえた。


そして移動手段の一つママチャリこれは何処にあるんだ、そしてその辺を走り回って、電動スポーツタイプにしないと疲れてしまう、その先にも何かがある。


その他いろいろとあるけど、検証をしたいが此処を出て行くのが先だろう。

俺はまず、ママチャリを部屋の中に出した、母さんが乗っていた物を思い描きながら出て来いと唱えたら、出て来たよピンクのママチャリ。


それとバリアの使い方、誰かに殴らせるか、建物を蹴らせれば分かるけど今はやめとく、外に出てから検証しようと思う。


まずは、裏のお酒の倉庫、此処は二重扉なので奥の扉と中をアイテムボックスに入れるイメージをしたら、最初のドアを開けると土壁だった。

また出る様に唱えたら、同じ様に二つ目の扉が!よし検証成功、両方の倉庫を暗くなったら回収してしまう事にする。そしてお店も行けるだろう。

そうとなったら、外のテーブルや椅子も中に入れておく、騎士さんは不思議そうだった、今まで一度も店の中に入れた事が無いものを入れたからね。


これで暗くなれば、逃亡出来るはず、後は見回りの騎士さん達をどうするかだ?


そして暗くなる、隣の宿は恐らくは王族歓迎パーティーのはず、ならば外にいるのは騎士さん達だけのはず、よし決行だ!


まずは裏の倉庫二つをアイテムボックスに収納、そして見回る騎士さんに声をかける。


「見回りの騎士さんご苦労様です、宿は歓迎パーティーで皆さん楽しそうですね、

どうですか少し休憩しても、俺の秘蔵の冷酒を出しますよ、何人いますか?」


「いえいえマサシ様、我々はこれが仕事です、それをもらう訳にはいきませんよ」

「秘蔵の酒ですよ、今日だけ特別に出しますよ特別にね!」


「でもですね」

「なぁ此処は魔法水で、安全なはず、宿の中は王国の騎士団もいるんだ!

少しくらい休息しても良いはずだよな」

「でも不味いでしょう」

「マサシ様の好意だ、それを断るのは不敬だぞ、此処は少しだけもらおうな!」

1人の兵士が、好意全開なので、まずはコップに注いであげる。


「ハイハイグッと一杯行ってください」

見回りの騎士さんは、コップの冷酒を一気に行く。


「どうですか?」

「プハー、上手いです」

「クー、美味しいなぁ良かっただろうよ、マサシ様にこれをもらって」


「残りもあげますよ、何なら少しの間俺が此処で見ています、詰め所で飲んで下さい、みんなにバレない様にね、じゃあ10分間だけ此処で代わって立ってますね」

俺は槍を受け取り、店の前に立っている。


2人は嬉しそうに、冷酒を持って詰め所に入って行った。


「空きっ腹に冷酒は良いが回るのが早いよね、20分もすれば寝るはずだね」

俺は念の為、30分ほど立っていたが彼らが戻ってくる気配は無い。

そーっと、詰め所を見に行くと、入り口の隣で2人は机に覆い被さっている。


「さてお店を仕舞いますか、その前にママチャリを出さないとね」

俺は店の中からママチャリを出して店をアイテムボックスに仕舞う。

初めてこの世界に来て、此処で生きてて行こうと思ったけど、出て行けと言われたら余所者は出て行がなくては行けないからね、騎士さんごめんね怒られたら俺の仕業で良いからね。


俺はママチャリに跨り、闇夜の坂を下って行く。


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