第 参拾参 話:瀬戸内海大合戦
翌日の早朝、作戦通りに九鬼水軍は官兵衛と清正の軍と共に四国へと攻め込み、一方の鬼龍水軍は半兵衛と三成の軍と共に瀬戸内海へと攻め込んだ。
そして昼近くに
「うわぁーーーーーっ!凄い数だなぁ‼やっぱり隆景
そして真斗は単眼鏡をしまうと左側に居る左之助に命を下す。
「左之助!
「はい!
左之助は持っている
「掛かれぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼」
真斗は大声で指示をしながら
一方、左右に村上水軍陣旗と置楯を配置した
「はっ!ようやく動き出したか。
「はい!姫様‼」
そして村上水軍の足軽達は
「さぁーーーーーーっ!
両軍の進む艦船によって起こる波と共に鬼龍水軍と村上水軍が今、衝突するのであった。
⬛︎
初戦は村上水軍が優勢であった。
激しい火縄銃と
一方、両軍の激しい戦闘を
「頃はよーーーし!掛かれぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
隆景が大声で軍配を振るうと毛利・小早川水軍の足軽達は大声を上げる。
「「「「「おぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼」」」」」
毛利・小早川水軍の艦船は鬼龍水軍と村上水軍の乱戦に向かって進み始めるが、
人がまだ知らない神の御業か、それとも鬼龍水軍と村上水軍が同時に船を進めた為か、突如、毛利・小早川水軍の前に多数の渦潮が起こり次々と
隆景はすぐさま停止の合図を出し、その場に留まる。
「一体これは何だ⁉まるで我らの参戦を阻む様に・・・ッ⁉‼」
驚く隆景であったが、今度は艦船の中に渦潮が起こり次々と船を襲い始めた。
そんな事が起こっている事すら知らずに鬼龍水軍と村上水軍の合戦はお互いに譲らない熾烈な物で真斗が乗る
二人は愛用の
「おう!流石だ
「ええ!私もだよ
斬り合うだけでなく、時には拳を時には蹴りを繰り出してはまるで子供の喧嘩の様な憎しみも恨みもない白兵戦を行う真斗と
するとそこに砲弾が真斗が乗る
真斗と
「撃てぇーーーーーーっ!撃ちながら鬼龍水軍の横っ腹を突くのだぁーーーーーーっ‼︎」
隆景は大声で言いながら渦潮で戦力が減ってしまった自身の艦隊を鬼龍水軍の艦船にぶつけて行く。
真斗が乗る
そしてぶつかった
「おい!隆景のおっさん‼︎何のつもりだい!私と
険悪そうな表情で問う
「当然だ。私も一度、真斗
そう笑顔で答える隆景は右に向かって体を回し、真斗に向かってを
「真斗
隆景の真剣な眼差しと表情に真斗は笑顔で頷く。
「分かりました隆景様。しかし、一人一人を相手にするのは面倒だ!二人共!まとめてお相手しよう‼︎さぁーーーっ!どっからでも掛かってきんしゃいーーーっ‼︎」
真斗はそう言いながら左腕で口元を隠す様に
「たく!せっかくの
「それは申し訳ありません姫様!しかし!私はどうしても‼︎」
「最後まで言わなくていいよ。でもまぁ二対一の闘いもそう悪くはなさそうだ!」
「んじゃ!私はおっさんに合わせるから、思う存分!楽しもう‼︎」
「ええ!そうですなぁ姫‼︎それでは・・・おりやぁーーーーーーーーーーーーーっ‼︎」
隆景は大声を上げながら物凄い速さで間合いを詰め、
⬛︎
人の域を超える様な動きで激しい斬り合いをする中で真斗、
そしてお互いに力強く一振りをし、まるで海が真っ二つに割れる程の耳がつんざく金属音が瀬戸内海に響き渡る。
「さすがですね隆景様!
「なーに!真斗
「本当だよ!流石‼︎私の憧れの
鎬を削る状態から
すると隆景が乗っていた
「隆景様ぁーーーーっ!大変です‼︎我が水軍が劣勢に!次々と鬼龍水軍に押されています‼︎」
身を乗り出し大声で言う足軽からの報告に隆景は目を閉じ、構えの姿勢を解き
「もはやこれまでか。真斗
隆景は笑顔で言うと真斗も笑顔で構えを解き、
「分かりました隆景様。しかし、今回の
だが、一方で
「おい!まだ勝負は終わっていないわよ‼︎さぁ!決着をつけましょう
すると隆景が
「姫様!お気持ちは分かりますが、勝負は時の運‼︎我らが敗れた以上!これ以上の勝負は武士道に背く事となりますぞ‼︎」
それを聞いた
「分かったわ。
「そっか。まぁいずれは何かの形で決着を着けようなぁ
「ええ、それじゃ」
「ではな真斗。また」
「ええ、隆景様。それでは」
真斗と隆景はお互いに笑顔で一礼をし、隆景も飛び移る様に自身の
そして突っ込んで来た
「左之助ぇーーーーーーーーーっ!」
「はっ!」
真斗からの呼び出しに左之助は素早く艦首の方から現れる。
「左之助!
「はい!
左之助は真斗に向かって一礼をし、艦尾の方へと走って行った。
真斗は辺りを見渡す。自身の乗る
そして地獄絵図の様な船上に向かって真斗は静かに何も言わずに目を閉じ、浅く頭を下げて合掌するのであった。
あとがき
次回は関東、小田原征伐となります。途中、足利氏征伐も描く予定ですのでお楽しみに。
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