第 陸 話:夏の告白
翌日の朝、ずっと屋敷の
「ふぅーーーーっ久しぶりの風呂は気持ちいいなぁ」
ホッとした表情で湯船に入りながら言う真斗は柵が付いた窓から青空を見上げる。
すると左にある脱衣場の戸が三回、ノックされ源三郎の声がし始める。
「
「ああ、とてもいいよ
「はい。勿論ですが、
源三郎からの提案に真斗は天井を見上げて少し考えるとニヤリと笑う。
「そうだな。分かった
「はい
風呂場に入る脱衣場の戸の前で笑顔で正座していた源三郎は立ち上がり脱衣場を後にするのであった。
そして真斗は風呂を出て、体全体を乾かすと浴衣に着替え大広間の
「さぁてと・・・
落ち着いた表情で言う真斗は
そして真斗は和紙に
“我の恋想い、時が流れても変わらない。美しき君の為であれば命惜しまず守ります”
真斗は作った俳句を綺麗に折り畳むと晴れた大空を見上げながら清々しい笑顔になる。
⬛︎
その日の夜、
(やっぱり私のこの胸の痛みは恋の痛み。そして同時に私は真斗の事が好きになってしまった。それもずっと居たいと思っている)
「
優しく問う
「え⁉・・・ええ。それもずっと彼の側に居たいと思っています。お爺様、この気持ちはどうしたらいいでしょうか?」
「素直でいいんだよ
「ありがとうございます、お爺様。分かりましたわ!私は直接、
「ああ、頑張りなさい
そして
「どうやら姫は決意したようですね。お爺様」
「ああ、婆様。でもなんだか懐かしいのぉ。
「ええ、そうですね爺様。あの
「ああ、婆様。
笑顔で
⬛︎
翌日、真斗は武家屋敷の茶室で正座して自ら茶を入れ源三郎に腕の評価をしてもらっていた。
真斗は茶を入れる動きには一切、無駄がなくむしろ逆に澄んだ気持ちで美しく茶を入れる。
出来た茶を正座をする源三郎はゆっくりと深く飲みながら味わう。
(これは!今まで
そう源三郎は心の内に語ると笑顔で目の前の真斗に飲み終わた湯呑茶碗をそっと出す。
「
「おそまつさまです。それとありがとう、
そして二人はお互いに深く一礼をするのであった。
その後、二人は片づけをし茶室を後にし廊下を歩いていると一人の女中が慌てて現れる。
「真斗様!大広間に今すぐに来て下さい‼
女中からの知らせに真斗と源三郎は驚きハッとなるが、すぐに冷静な表情に戻る。
「分かった!ありがとう!
「はい!
「はい。ご家老様」
女中は一礼をし反対方向へ向かい、真斗と源三郎は大広間へと向かうのであった。
そして真斗と源三郎が大広間に着くとそこには
「遅れて申し訳ありません!
真斗からの謝罪の言葉に
「いいえ、構いませんよ。急に押しかけたのはこちらですので」
そして真斗とは
「それで
すると
「真斗様、私は初め貴方様の事は他の殿方と同じ私など
そして
「真斗様!私は貴方が好きになりました!どうか私と婚姻を前提にお付き合いして下さい‼︎」
(何ぃーーーーーっ⁉︎
などと心の内で慌てる真斗の左肩を源三郎は自身の右手で優しく置き、真斗はハッとなり振り返る源三郎は笑顔で軽く頷く。
それを見た真斗は冷静さを取り戻し笑顔で源三郎に向かって頷き、
「私は、いや俺は
真斗は大きく深刻をし気持ちを落ち着かせ、真剣な眼差しと表情となる。
「
そう言いながら真斗は両手を拳にして軽く頭を下げる。
真斗の姿と答えに
「はい!こちらこそ、よろしくお願いします!」
そんな
「うぉほほほほほほほっ‼︎
源三郎が大泣きで喜ぶ一方で
「婆様!人生でここまで嬉しい事は初めてですじゃ!」
「ええ爺様!
こうして真斗は
あとがき
皆様は好きな人が出来たら、どんな告白をしますか?次回から真斗と
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