いじめの効率的な対処法
ストレリチア
第一話 青春の入り口
「うおっしゃーーーー! 受かったぞー!!!!」
俺はすぐに応援してくれた家族や友人たちに報告と感謝のメッセージを送る。するとすぐに祝福のメッセージが返ってくる。今日は人生で最もうれしい日だろう。俺は第一志望の高校に受かったのだ。
「やったな!
友達の
「二人共受かってよかったな!」
「そうだな」
そう。俺も祐也も県で一番頭がいい私立舞高等学校(通称舞高)に受かったのだ。
「いやー。この一年間死ぬほど勉強したな。朔なんてトイレでも勉強してたしな」
「そうだな。でも頑張ってよかったよ。やっと俺の青春が始まるぜ」
「はっはっは。どうせ中学と同じで話しかけるまでに迷いまくって結局他のやつにとられるだろうよ」
「ちょっとひどくね!?高校では絶対すぐ彼女作るから!!」
まあ中学の時気になっている子がいてももじもじしすぎて全く進展しなかったのは事実なんだけれども。
しかし、俺は変わるのだ。高校に入ったら女の子に囲まれて青春を謳歌してやると誓ったのだ。そのためにはどんなことでもやる覚悟はある。
まずは入学までに見た目を少しでも整えておこう。幸い今は3月の頭なので入学までは時間がある。
俺は期待に胸を膨らませて過ごすのだった。
――――――
「やっと今日が来たぜ。」
ついに入学式の日が来た。
今日は入学式をしてクラス分けがあって自己紹介をするはずなので今日がかなり重要な日であることは間違いない。
「気合入りすぎだろ。朔」
「今気合い入れなくていつ入れるんだ」
学校の校門の前で今後のことをシュミレーションしていると祐也が話しかけてきた。
「こういう時は自然体が大切だぞ」
「いや、なかなか難しいぞ、それ」
「早く入ろうぜ」
「そうだな」
祐也はこういうときでも平然とできるらしい。
俺は満を持して学校の敷地に足を踏み入れた。
――――――
「おお」
「さすが高校だな」
そこは中学とは違う世界だった。
当然のように設置された自動販売機、たくさんある職員室、そもそも学校がとても広い。
周りの俺と同じ新入生も同じような感想を持っているのだろう。ざわざわとしゃべりながら体育館へ向かっている。
入学式のために体育館に行くだけでもとても新鮮だった。
「新入生起立、礼」
退屈な入学式が始まった。こういう時はなんか無駄な時間を過ごしているみたいに思ってしまう。何か有益なことをしたい。計算練習でもするか?。745たす533は、えーと、せんにひゃくたす、ななじゅうはちだから、1278だ。
足し算はある程度できるけど掛け算って難しいよね。俺は2桁の掛け算は10掛ける10から19掛ける19までしか暗算でできないよ。インド式計算とかあるらしいけどいろいろ使うときの条件とかがあって覚えきれないので使えていない。なんかいい計算方法があれば教えてね。
そんなこんなしていると入学式はあっさり終わった。
次はクラス分けの表が張り出されるらしい。ここはそんなに重要じゃないかな。というのも俺は知り合いが祐也しかいないからだ。同じ中学のやつでここに来たのは俺と祐也だけなんだ。そういうわけでクラス分けの表に自分の名前を見つけ、さっさと教室へ向かった。ちなみに祐也とは別のクラスになった。
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