保健室登校の僕になぜか学園の三大美女が惚れています。でも僕の本命は保健室の先生です
リアム
第1話朝の事故
とある駅のホームにて神木
(やっべー忘れ物取りに行ってたらぎりぎりになっちまった)
彼は通勤ラッシュで流れる人々の合間を縫って進んでいく。
『電車が発車します。ご注意ください』
「やっべ! すいません! 入りまーす」
彼は扉が閉まる直前、親切な人が扉が閉まるのを防いでくれてなんとか乗ることができた。
電車は学校付近の駅へ向けて発進する。
(人が多いと身動きがとれねぇ)
密集した電車の中で隣の人にぶつかりながら進んでいく。
(はー、暇だなぁ。かといって下手に周りを見渡して他の人と目が合って気まずくなるのも嫌だし…外の景色でも眺めるか)
そうして彼が外に目を向けようとしたとき、自分から何人か前に自分と同じ制服を着た女子生徒がいた。
一体誰なんだろうかと彼女の顔を見てみると彼女は目をつぶって何かに耐えるような表情をしていた。
(なんだ?どっか悪いのか? …ってあ、あいつ!!)
そのとき彼は彼女が後ろのおじさんから痴漢をされていることに気がついた。
彼は考える間も無く周りの人たちを押し退けて彼女に近づいていく。
そうして彼女の目の前に行くと彼女の肩に触れる。 彼女は目を開けてゆっくりとこちらを見上げてくる。
「(大丈夫)」
そっと彼女に囁くと後ろにいたおじさんの手を掴んで上に吊し上げた。
「この人痴漢です!」
おじさんは罰が悪そうな顔をした後、腕を振り払って逃げようとする。
だが周りの人たちが邪魔で身動きが取れず、俺は後ろから彼の頭を掴んで壁に押し当てる。
「もうじき駅に着く。観念しろよ」
「クソが!ふざけんじゃねえ!…そうさ、これは冤罪だ」
「ほう、そうきたか。でもじゃあなんでお前は真っ先に逃げようとしたんだよ」
「ぐっ!」
「そもそもこんだけ人が居るんだからお前が痴漢してたのは周りの奴らもわかってんだよ」
「クソが!離しやがれ!」
「大人しくしてろよ」
暴れようとする手を押さえつけていると程なくして駅に到着した。
それからは周りにいた人たちに頼んで駅員さんを呼んできてもらい、俺と彼女は男を引き渡した後念のため事情聴取を受けることとなった。
駅員さんに案内されている最中、彼女から服の袖を掴まれて終始俺に引っ付いたまま移動していた。 まあ、恐らくは先程の事件で不安になっていただけだろう。
先程までは気づかなかったが、彼女の容姿はまさに美少女といった言葉が似合うような絶世の美女だった。
痴漢をしたおじさんには共感はできないが痴漢されるのも頷ける美貌を彼女はもっていた。
ぱっちりと大きな瞳に片目が隠れるくらいに伸びた銀髪の髪、肩には大きなヘッドホンを付けていた。
まぁ、そんな彼女が何故か頬を赤らめていたり、離れるときに残念そうにしていたが…。
幸い警察の方が俺たちが登校途中だったのを知って早めに終わらせてくれたため、二十分程度で解散となった。
俺たちは学校に登校するために別の電車に乗ることとなった。 ラッキーなことに今回の乗車賃はタダにしてくれるらしい。
そうして電車が到着すると突然彼女が俺の前に出てきた。
「あ、あの!ありがとうございました」
「いいよお礼なんて。それよりも気づくのが遅れてごめんね」
彼女はお辞儀した後に恥ずかしそうに別の車輌へと走り去ってしまった。 痴漢にあった後なので大丈夫だろうかと思ったが、その頃には他の人に押されて電車に乗ってしまった。
この時彼女がどんな思いを抱いていたか、彼は知る由もなかった。また、彼はこの時の出来事をきっかけにさまざまな困難に巻き込まれてゆく。 ある意味でこれは彼の人生を変える大きなきっかけとなった。
そうして20分ほど後のこと、俺はようやく学校に到着した。
中に入ると体育の授業でグラウンドに移動する集団に遭遇する。
彼らは俺を見てはヒソヒソと何かを呟いていた。おそらくは俺がこんな時間帯に登校していることについて話しているのだろう。
俺は階段を上がって目的の場所へと到達した。
コンコンコン「失礼しまーす」
彼が元気よく開けたその扉はクラスのものでも、まして職員室のものでもなかった。
「あら?いらっしゃい。今日は随分と遅いのね」
「朝方、ちょっとした事件に巻き込まれましてね」
「なるほど、それじゃあ今日も一緒にお勉強しましょうか」
そこは保健室であり、中には優雅に茶髪の髪の毛をたなびかせ、上品に紅茶を口にするセラ先生がいた。
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