青春の片隅で ~陰の物語~
ろん11号
第1話 すべての始まり
僕は絶望していた。
中学や高校ではクラスにおいて二つの集団に分けられる。それは「陽キャ」と「陽キャ以外」だ。そして、いわゆる「陽キャ」に属さず、「陽キャ以外」に分類される人たちを「陰キャ」という。陰キャはコミュニケーション能力が低く、友達も少ない。そのため、陽キャからは毛嫌いされることが多々ある。僕はそんな可哀そうな集団に属している。
いつからだろう、こんなにも人と話すのが怖くなってしまったのは。別に昔いじめられていたとか、トラウマがあるとかそういうわけではなく、普遍的な生活を送ってきたはずなのに…。放課後の教室の窓から物思いにふけりつつ、そんなことを考えていると、下から騒ぎ声が聞こえた。
またかと思いつつ下を覗くと、そこでは相変わらずあれをしている人たちがいた。人間は性格の悪い生き物である。弱い者を見るとすぐに暴言を吐き、暴力を振るい始める。いわゆる「いじめ」である。そして、そういう性格の悪いやつらがこの学校にはたくさんいる。
ため息をつきながら下に降りていく。そしてサングラスをつけて変装して、そいつらのところに向かう。見てみると、女子一人を男四人でいじめていた。いつも通り、奴らを殴り倒して女子を助けた。ガタイはいいくせに体の使い方がわかってないんだよなぁと煽りのコメントを入れつつ、立ち去った。
僕はこうして、学校で起きているいじめを毎日のように対処している。部活動や塾がなくて暇だからいいのだが、一年ほど続けてもなお、いじめがなくならないのは問題がある気がするよなぁ…。そんなことを考えながら帰路をたどった。
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