第2話 知ってるけど知らない世界と魂

 少女は、時空神クロニアの時間逆行で過去の世界に飛んでいた、少女の時代は厄災封印から700年ほど経った時代だったが、少女が飛んだ世界はそこから800年前、ソウタたち現代で言う1000年前、人と魔人が戦争していた時代であった。


 目の前に広がる未知であって未知ではない世界に少女は困惑していた。

 だだっ広く広がる草原にポツンと立っているお城、少女はそれが気になった。

 辺りを見まわしながらお城に向かう、元いた時代にこんなの無かったと思いながら少女は、進んでいく。

 お城の直ぐ近くまで来れた、遠目からは見えなかったお城の全容が見える。破損し、穴が開き、燃えた形跡もある、廃城であった。


 クロニアが言っていた「お城の玉座」を目指して中に入っていく、少女城の中ははっきりと言えば気持ち悪いと感じた、幾つにも転がる魔人たちであった肉塊や骨が無惨にばら撒かれていた。焼き焦げたものもあれば切り捨てられたもの様々であった。


 階段を登り、玉座へと少女向かう。

 玉座のある部屋までたどり着いた。玉座を見渡すとそこにはぼんやりとした何かが少女の瞳に映る。


 ???「来たか、この我を浄化させに来たのだろ教会ども、見くびられたものだな、まさか子供を送り込むとは。」


 少女「じょうか?なんのこと?」


 ???「貴様、教会のものではないのか?」


 少女「教会ってミダイヤ教のこと?」


 ???「なんだそれは?我が言っているのは聖人教会のことだ、我は長く生きていた身であるがそのような教会は知らん。貴様どこから来た?」


 少女「信じてはもらえないかもしれないけど、私は未来から来ました!」


 少女は怯えながらもぼんやりとした何かを見つめながら訴えた。


 ???「確かに貴様の目は嘘をついておらんかった。信用しよう。貴様、何か欲しいものはあるか?我は死して魂だけとなったが、我の私物なれば上げてやらんこともないが。」


 少女「私は力が欲しいです。」


 ???「ほう、その歳でありながら力を欲するか……」


 魂と話をしている最中、玉座のある部屋の入り口で、1人の男が現れる。


 男「炎魔王ラヴァルと思われる魂を発見!それと操れているであらう少女もいる、至急応援を頼む。」


 ???「チッ、教会の連中が来たか、急ぎ隠れよ!」


 少女と魂は玉座の後ろへと隠れる。


 ???「少女よ、一つ提案がある。これは貴様の望みをも叶えれるがリスクもある、飲むか?」


 少女「わかった、でも本当に叶えてよ。」


 ???「あぁ、約束しよう。」


 魂は何か詠唱を始める。


 ???「魂合同化!」


 魂がそう言い放つと、魂と少女はそこから消えた。

 

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