第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌の部】【青春の終わり、そして続き】

清見ヶ原遊市

放哉とあけがたとろりとした夢がどんな夢かと語り合いたい

放哉とあけがたとろりとした夢がどんな夢かと語り合いたい


嬰児の君が笑って立ち始め、走り始める。音だけを聞く。


眠るには惜しい夜だと思うのに君は隣りで欠伸している


恋じゃない、だけどあなたと人生を長く続けてみたいと思う


サツマイモ入りのポテトサラダなど君しか食べないはずだったのに


この駅は腹立つことがあったとき降りた駅だと改札で気付く


永遠の孤独を彷徨うはずだった彷徨ううちに友ができてた


我が母の母になりたる年を越え今も娘と呼ばれはにかむ


初夢は何かを選ぶ夢を見て朝日と共に何か忘るる


師の言葉耳に痛しと思ううち独り歩けるものになりたし


日は西に空の青さはまやかしに花の香りは夢の女に


満月の下で出会った木蓮のようにこんなに白くありたい


ゼロイチの別れの言葉に泣く胸は古と同じ熱を孕んで


君は僕、僕は君への物語 心臓になれ魂となれ


ラジオからもう捨てて行けと歌が呼ぶ。肩軽くなる、足速くなる


恋をして貴方は先に家を出るまだ恋の中の我を残して


住み慣れし1DKで聴く雨にここが宇宙の全てだと知る


咆哮とギターとドラム、ベースの音極彩色の天国に往く


夜歩く味噌に醤油に甘い花生きる香りとすれ違いつつ


Nobady knowsのsで唇を噛み切るような、そんな青春


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第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌の部】【青春の終わり、そして続き】 清見ヶ原遊市 @kiyomigahara

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