第9話
さてと、俺はまず朱美を守るための行動に出る。
再生した手足とプチプチうなってる頭を見て、そろそろ活動再開が近いと悟ったからだ。
朱美は無事に布団の中に入り、ブルブルと震えているのがわかる。
俺はベッドの周りの四隅にお札を張り呪文を唱え結界を張った。
これで普通の幽霊ならば数十回手程度の攻撃に耐えてくれるだろうが、あの女は手ごわいから数回持てばいい。
そうしている間に、隅でうずくまっていたドロドロ顔の女が、立ってこちらを見ている。
『みーつけた。私の高見沢君』
おれは吐きそうになるも堪えて耐えた。
「気持ち悪いんだよ、お前はな」
『習うよりも慣れろっていうじゃない。あなたもこっちの世界に来ればすぐに慣れるわ』
銃を構えるが、女は瞬間移動の様に瞬時に居場所を変える。
早すぎて狙いが定まらねえ。
ちょこまかと移動し近づいてくる。
数発撃ち込むもかすり傷しか付けられねぇ。
次の瞬間、女は俺の目の前に姿を現した。
『ねえ、あの邪魔な女はどこ?』
「そんなもん、知らねぇなぁ」
俺は女の顎に銃口を下から向けると、弾丸を打ち放った。
するとドロドロに溶けた女の顔は再び砕け散る。
俺は数歩後ろに下がり、両足に数発弾を撃ち込んで、足はもぎ取られ、女は倒れ上半身のみとなった。
頭と両足を失った女は手で体を引きずり、こちらに近づいてくる。
狙い通りだ。
俺は頭と足が再生しないように、定期的に銃弾を撃ち込んでいく。
ゆっくりと移動しながら俺はバスルームの扉を開いた。
「こっちだぜ、お嬢ちゃん。俺が欲しいんだろ」
女は誘導されるがまま、手で体を引きづりバスルームに入って行った。
俺はそれを確認すると、水の入っていないバスタブに入り女を待つ。
攻撃を止めたため、女は徐々に再生していく。
「こっちだぜ」
俺はそう言うと小さな声で呪文を唱え始めた。
女の足の再生が終わると、真っ直ぐバスタブに歩いてくる。
そして女の顔は再生を遂げた。
『捕まえた。ここが終点よ』
「それはお前だけのな」
俺は唱えていた呪文の詠唱を終えると、素早くバスタブから飛び出し。
「
力強く言霊を口にした。
するとバスタブに結界が張られて、女を閉じこめることに成功した。
この呪文は高見沢家の血筋しか、使えることのできない秘術である。
完全に女封じることがことができただけで倒せていない。
女は結界を叩いて、開けろと懇願するが、誰が空けてやるものか。
念のためバスルーム全体にも”
さすがに高見沢の人間での二連続の”
修行がまだ足りないな。そう思うと俺はベッドになだれこむ。
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