第7話 ゴールドラッシュと鬼殺しの英雄

 今日も私のお話を読みに来てくれてありがとう。


 今回はこの国で今起きていることについて説明するね。


 今、このローゼンブルグではゴールドラッシュが起きているの。


 この国の北部の川で、砂金が大量に見つかったのが発端みたい。


 だから、国中の人々が、ローゼンブルグの北部に押し寄せているわ。


 街行く人たちがとにかく呟いているのは、金。金。金。


 こんな風に、この国の人達は今、金に目が眩んでしまっているわ。


 みんなの目当てはおゴールドなのよ。


 もともと、ローゼンブルグの北部には、金がつく地名が多いの。


 それは、昔ここでたくさん金が採れたからなの。


 でもね、ある時から金がパッタリと取れなくなって、この地域は一気に寂れてしまったの。


 それはね、この地域で一番大きな鉱山にモンスターが現れて、金が取れなくなってしまったからなの。


 だから、金はあるけど、採掘が出来なくなってしまったのね。


 そのモンスターはね、かつては黄金神と呼ばれていた神様だったの。


その神様が鉱山を守っていたのね。


でも、人間の欲望に当てられ続けたからなのか、神様はある日モンスターに変貌してしまったの。


あ、そうそう、この地区の人々はモンスターのことを鬼と呼んでいるわ。


この国のモンスターは、地域によっては妖怪や鬼と呼ばれているの。


中でも、この国をかつて支配した古代の鬼たちは、今もこのローゼンブルグのどこかに潜んでいて、人間への復讐の機会を伺っているらしいわ。


話が逸れたわね。


そのかつて神の成れの果ての鬼を征伐したのが、日太刀王なの。


日太刀王は、鬼を倒すほどの力を持っていることから、鬼神とか鬼殺しの英雄と呼んでいる人達もいるわ。


日太刀王が鬼を倒してから、この国ではまた金が採れるようになって、川に砂金が流れ着くようになって、ゴールドラッシュになってるってわけね。


でもね、日太刀王はね、この力を手に入れるために、とてもおぞましい方法を使って大きな代償を払っていたの。


力の代償として、宮古様は・・・


ごめんなさい。


今はまだ、とてもこのことを話す気持ちになれないの。


いつか、私の心が落ち着いたら話すわね。


・・・今日も読んでくれてありがとう。


また明日も読みに来てくれたら、うれしいな。

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