第3話 総攻撃 焔の秘密

さて、そんなこんなで屋内型コースターの内部から外に出てみると、、


「はぇー結構増えてんな」


ゾンビは私たちが呑気に話し合いをしているうちに相当な数にまで増えていた。


「流石遊園地だな」


「パンデミックが起きた時に危ない場所ランキングトップ3に入るな」


そうしているうちにゾンビ達が私たちに気付いて向かってきた。


「さーて皆んなでドンって自分の力を発揮するのもいいけど、やっぱファッションショーと同じく一人ずつ自分の能力を使うべきだよね」


いや、何でゾンビと戦うのにファッションショーと同じ理論が出てくるんだか。


「じゃあまずは俺から行かせてもらう」


最初に名乗り出たのは焔だった。


「さーてまずは、【ストレージ】」


焔の目の前に謎の丸い穴が現れ焔はそれに手を突っ込んだ。


「ジャジャーン!伝説のドラゴンのツノと牙で作られた勇者の剣!」


丸い穴から出てきた焔の手には大きな黄金の剣があった。


「なるほどね、何となく分かったわ」


「おっ、光察しがいいねぇ。そう俺は異世界転生して魔王を倒してこの世界に帰ってきた勇者なのだ!」


あーすごい。なんかすごい。そりゃあんだけの自信が湧いてくるなそりゃ。魔王を倒したことあるならこんなゾンビども雑魚に等しいもんな。うん。


「早速行くぜー。【トルネードファイヤー】」


ゾンビたちの大群の中心から炎の渦が巻き起こり、その渦はどんどん巨大化していきゾンビ達を焼き尽くす竜巻となっていった。


「いや、剣使わんのかーい!」


「いやーだって剣だと迫力不足っていうか、異世界から帰ってきた感が出ないっていうか、やっぱこういうのは魔法に限るよねってことで」


じゃあなぜ剣出したと私は聞きたくなったが、それ以前に


「焔、こんなにド派手にやったら周囲のゾンビやってきちゃうでしょうが」


「まぁまぁいいじゃないですか、その方が残りの三人にも活躍の場が出来て、ゾンビも掃討出来て一石二鳥じゃないか」


「いやいや、何をおっしゃるんですか焔さん。あんたのおかげでねぇ、次の人のハードル上がったんだわ」


光がこの状況でクソほどくだらないことで文句を言っている。


「そうだそうだ」


沙莉も言ってる。


「ほんと迷惑」


蒼雷までもが言い出した。


「えっ、何俺そんな悪いことした?」


「「「した」」」


「うんした。三人とは違う意味で」


「はいすみませんでした」


焔は素直に謝った。


「というか今更なんだけど、ゾンビって元はと言えば人間だよね?」


「うん」


「じゃあこんな簡単に殺していいのかな?」


「•••」


焔は黙ってしまった。


「うーんまぁゾンビって死んだ人間が動いてるってことでしょ。だから大丈夫。動いてる死体を火葬しただけだから」


「それもそうだね。アテム法律事務所だって犯罪ではないって言ってくれるよ」


「いや、アテム法律事務所は前にそれだと器物損害罪になるって言ってたよ」


沙莉の言葉に皆んなが固まった。


「あっ、えっ、あっ、こ、これってどんくらい請求くるかな、?」


「うーん知らないけど、まぁしばらくは裁判所も警察も機能してないから大丈夫だよ」


「それもそっか」


光の言葉に焔は安心した。


「まぁとりあえず犯罪かどうかはこの際考えない方針でいっちゃおう!」


何というか今はそんなこと気にしてる余裕はないと思うのだが、そもそもこういう時って人を殺してもいいのかとかそういう倫理的な話をするんじゃないのかな?


「まぁ確かにここであれこれ考えても意味ないしね」


「そうだね。ってことで次は誰が発表するかい?」


「じゃあ光が行くよ」


次は光が声を上げた。


「まぁ見ててよ。焔ほどの迫力はないけど光も結構やれるんだから」


正直私はこの時、焔を見た後だから対して驚かないだろうなぁと思ったのであった。

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