第10話 お化粧してみたわ

 今日は友だちとショッピング!何を買いに行ったかというと、お化粧品よ。とりあえず選んだのは、ルージュ、チーク、アイシャドウ、マスカラ、そんなところかしら。それにしても種類の多いことにびっくりです。

 もちろん、今までもよく見てたけどあまり買ったことなかった。でも、急に興味がわいてきたの。お化粧するとなんか大人になったような、自分が成長したような気持ちになってワクワクするのよね。


 最初に選んだのはルージュ。レッド、ピンク、ベージュ、自分にはどの色が似合うかしら、合わせてみるとちょっとした色の違いで、全然違う自分になる。最近はナチュラルなほうがいいのかしら。あまり赤すぎるとオバケ~って感じになっちゃう。それが似合う人もいるけどね。やっぱりピンク系が可愛いかしら。大人っぽくなるよりも、私は可愛い感じにしたいわ。


 チークは塗り方が難しいのよ。ほんの少しつけるのがコツだとわかったわ。友だちのほうが詳しくて、もうたくさん試してるみたいなのでアドバイスしてくれて助かるわ。塗りすぎるとお面みたいに不自然になるのよ。


 やっぱりポイントは目元ね。目がパッチリ大きく見えることを目指したいわ。でも最初は少しずつ付けてみようと思う。マスカラってつけるの以外に難しいんだもの。


 それに、お化粧品って、いい香りするでしょ。あまり強いと嫌だけど、ほんの少し甘い香りがするのはとても好きだわ。自分がキレイになったなって感じられるから。大人の女性の側に行くと、ふわ~っと漂ってくる大人の雰囲気みたいなものを感じるけれど、お化粧の香りがその正体だったと思うわ。


 今まで「子どもはお化粧してはいけません」って言われてたけど、海外ドラマ見てると、子どもでもお化粧したり、ピアスしたりして楽しんでる。ちょっと驚いたけど、女の子って小さいときからキレイになりたいって思ってるのよね。私も幼稚園くらいのとき、お母さんの口紅塗って遊んだことある。大人のマネしたかったと、やっぱり口紅つけたいなって思ったのを覚えているわ。自分の赤いくちびるを鏡で見て、塗り方が下手だからはみ出してとっても変だったけど、嬉しかったわ~。予想どおり、お母さんには怒られました。


 でも、お化粧って、やり始めるときりがない気がしてきました。もっとキレイになりたいと思います。自分にはもっと似合う色やお化粧方法がある気がして、たくさん試してみたくなる。その日のファッションによって色を変えてみたくなる。ファンデーションやクリームで、肌をもっと白く透明感を感じるようにしたい。眉も整えなくちゃ。髪型もお化粧に合わせて変えてもいいかも。

 なんて考え始めると、全部やらなきゃいけないような気がしてくる。でもお金かかるし、とてもムリだわ。

 でもね~可愛くなりたい。可愛くなると自分に自信持てる気がするから。ルージュ塗るだけで、不思議と気分が変わるのよ。今までとは違う自分になれたような気がしてくる。


 お母さんには、「若いときは何もつけなくてもキレイなのよ」って言われます。でもね、若い時しかできないこともあると思います。初めてお化粧して嬉しくてドキドキする感じは今しか味わえないと思う。だから、友だちと比べたり、自分に似合うものを見つけたり、できることを楽しみたいと思います。



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