第3話 バイト始めました
私アルバイト始めました。やっぱり自由に使えるお小遣いは多いほうがいいでしょ。何に使うかっていうと、本やステーショナリー、コスメ、服、友だちと会うときのお金も必要、脱毛?したほうがいいのかしら、お金かかりそうね。それに旅行もしたいから貯金もしないと。
私って贅沢かしら、普通なのかしら、世界のニュースを見ると、ゴハン食べられない人がいるとか、家がなくて暮らせない人とか、たくさんいるみたいだけど、私はちゃんとゴハン食べられるし学校にも行ってるからいいのかもね。
でもショプを覗くとカワイイものたくさん売ってるし、もっとたくさん欲しいものがあるわ。
何を始めたかというと、コーヒーチェーン店のスタッフです。いらっしゃいませ、って言ってコーヒー渡せばいいかと簡単に考えてたけど大変なのよ。まず覚えることがた~くさんあって、学校の勉強よりも大変かも。飲み物も、ミルク多めとか、氷少なめとか、オプションがたくさんあるから覚えなくちゃいけない。
私今までそんな注文したことなかったけど、観察してるといろいろ注文するお客さんもいるのね。それにやらなければならないことが、たくさんあることもわかりました。
今はまだ接客だけだけど、お店の中を整えたり、厨房でお料理したり、事務手続きもあるし、お客さんとして来てるときには気づかなかったわ。
最初のお客さんと向き合ったときはすごく緊張して言葉がうまく出てこなくて、恥ずかしかった。先輩スタッフさんは何気なくやってることが、私には全部初めてのことだから、緊張して疲れる。
でも、仕事してて楽しいこともあるわ。コーヒーは家で淹れるのとは桁違いに大きなマシンで抽出するんだけど、豆もた~くさん使って豪快よ。美味しくなるようにフルーツジュースやハチミツまぜたり、ホイップふわふわさせるのがワタシ的には面白いわ。
このあいだ、ホットとアイスを間違えて作っちゃった。お客さんに言われて作り直したけど、ドキドキしました。でも優しい人だったから怒られなくてホッとしました。
ミスしても平気な人もいるけど、私は結構落ち込むタイプ。
そんなとき、先輩が
「ミスは誰でもするものだから大丈夫だよ、すみませんでしたとまず謝ろう。そのときも無表情じゃなくて、申し訳ありませんでしたという気持ちで言葉にすることが大切なんだよ。お客さんは言葉よりも態度や雰囲気から感じることのほうが多いからね。だんだん慣れるからね。」
と優しく声をかけてくれて嬉しかった。「なにやってるんだ!」みたいに怒られたら泣いてやめちゃったかもしれません。
社会人になって仕事するようになったら当たり前のことかもしれないけど、今の私には毎日の出来事が、次何が起きるのか予想できなくてドキドキするのよ。先輩スタッフが丁寧に教えてくれる人でとても嬉しい。
お店のレジとかで怒鳴ってる人たまにいるけど、そんな人が先輩だったり、お客さんで来ちゃったらどうしよう、少し心配になったりする。だって、ホントに色んな人が来るんだもの。学校では同年代の人ばかりだから、それが当たり前の雰囲気だったけど、そうじゃないことがわかりました。
赤ちゃんからお年寄りまで様々な人が来ます。よく来てくれる人もいるし、初めての人ももちろんいる。
勉強や仕事してる人が多いわね。私も喫茶店や図書館のほうが集中して勉強できたからわかるわ。BGMがかかってて、いい感じに人のざわめきが感じられて、しかも一人の空間が持てる場所。多少うるさかったりと感じることがあったけど、それは仕方ないわね。
女性同士でおしゃべりしてるのはとても楽しそう。聞いちゃいけないんだけど、たまに聞こえてくるわ。
高校生っぽい子は、彼が振り向いてくれるにはどうしたらいいかしら、って話てた。私も興味あるわ。
若いお母さんは子どもたちの成績や塾、進学について真剣に話してる。うちの子は数学ができなくてどんな勉強させたらいいかしら、どのランクの高校に行かせればいいかいしら、どの塾に行かせれば成績があがるかしら、なんか息苦しいわ。
子どもたちを愛してるから、もっと幸せになってほしいから言ってるのね。でも、子どもにまずは聞いてみれば、子どもと話ししてみればと思った。
お年寄りは健康の話が多いわね。話することで元気になるのならいいんじゃないかしら。
私が子どものころは、出かけるときはほとんど母親と一緒でした。父親と喫茶店行ったことなかったけど、最近はパパが赤ちゃんつれて来てくれる。パパが赤ちゃんを抱っこしてたり、ちっちゃな手をつないで来たり、優しいわ!
パパの優しさを感じて育った子は、きっと優しい子になると思う。
そして、私もいつか彼氏と一緒に喫茶店でデートしたいな~。
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