第13話:いい子いい子
メンバー限定近況ノートにて、オルターの笑い方についての秘密を語っています。
興味のある人は是非ギフトを(乞食)
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「アスナ……ッ!!」
オルターの悲痛な叫びは届かず、A37の視線は以前バーナテヴィルに向いていた。
『……
「どーせスクラップ場で潰される運命でしょ? 回収しやすいように手頃な大きさに斬り刻んでやったよ。感謝してよね」
『迂回すればいい話だろう』
「はぁ? 何言ってんの? ———————
近道が空いてるんだから、わざわざ遠回りするバカはいないでしょ」
『……いかれてやがる』
さぞ当たり前のことを言うように、自ら混沌の波に身を飛び込ませた。213体を全て単騎で? あり得ないだろう……ッ!
『バァラディはどうした? 監視役をしていたはずだ』
「誰だよ………あぁ、あの人型ね。殺したよ」
『そうか、だが我々は遠隔でこの体を操っている。いくら機械体を殺しても——』
「違う違う。殺したんだ、確実に俺の能力でね。信じられないなら普段切っている無線を繋げたら?」
彼女の言葉の通り、無線を繋げるバーナテヴィル。
『———様、バーナテヴィル様! やっとつながりました! バァラディ様がポットの中で無惨な姿に……』
『……本当のようだな』
「にはは。で、どうする? このまま自分を殺すかもしれない存在と戦うかい?」
『やめておこう、俺だって命が惜しい。そこの5人は殺していくが、いいかな?』
「ん? 別にいいけど、今は困るなぁ」
「「「「!!」」」」
その言葉に唖然とする俺たち。心のどこかで、A37は……『
「ニュービー、ライター」
「!? ……あ、あぁ」
刹那の間に俺の横に移動し、火をねだってくる。
「すぅ—————はぁ———…… こいつらは俺の計画に必須だ。今殺すつもりなら、もれなく俺の断罪が待ってるよ⭐︎」
辺りに舞っていた粉塵が急激に収縮し、A37の手に収まったと同時に3メートルは優に超える大剣に姿を変えた。
黒い刀身が彼女の白髪と対になって輝く。
『流石に場が悪いな。より強力な機体で来た時に、お前を殺す』
「あっそ」
瞬間、白い煙幕で身を包んだかと思うと、それがはれる頃にはもう姿を消していた。
それを見届けると、A37は手元の得物を霞のように消し去り、俺たちの方を向く。
「バーナテヴィルにたどり着いたようだね」
「あいつは……何者だったんだ?」
「
「ま、待てアスナ、どこからその情報を! それに、なぜお前が人間のような行動を取れる!」
「………あぁ、誰かと思えばオルターか。にはは、今度差しで飲みに行こう。お尋ね者と踊る覚悟があるならね」
そう言うと、アスナと呼ばれた彼女は俺の顔に紫煙を吹き掛けた。
「ゴボッ、ゴボゴボ!」
「じゃあなニュービー。オルターの言うことを聞いていい子にしてるんだぞ」
乱雑に頭を撫でられ、再び彼女を見た頃にはもうそこにはいなかった。
「……オルターさん」
「……わしについて来い、話がある」
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