第3話 噛み合わない


――――――「……」

「なに?」

「いや、つい見とれてた。」

「ただの私服だけど。」

「新鮮。」

「そう?」


キッチンでコーヒーカップに口をつける彼女に見とれていた。


僕の意図に気付いたのか、台に置いた。


「……俺は、こっちがいいや。」


彼女の前に立って頬を撫でながら息を吐くように呟いた。


「……ちょっと見方変わったかも」

「どういう事?」

「今、仕事じゃないからさ。」


そう言うと彼女は僕に襲い掛かるようにキスした。


「やめろ…したくなる。」

「してもいいよ?」

「やめとけ。嗜好が濃すぎて吐くぞ。」

「匂いフェチとか?」

「そんなの可愛い方」

「……私の服着たいとか?」

「その発想無かったわ。」


僕は焦れったいので彼女の手を自分の胸に導いた。


「…俺の体お前でいっぱいにして。引っかこうが噛み付こうがなんでもいい。」

「……ちょっと無理かも」

「うん、わかってる。それ出来るやつ連れてきて。」



―――――――――――――――。



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