BSSを食らってへこんでいた時にオススメされたギャルゲーによって、性癖を壊されたとある作者のお話~脳破壊君〇ぞ編~

くろねこどらごん

第1話

 初めての方は初めまして。そうでない方はこんにちは。

 さて、挨拶もそこそこに本題へと入らせて頂きますが、本日のお話はズバリ、タイトル通りの自分語りです。

 興味のない方はブラウザバックをどうぞ。まぁタイトルに既に書いているので理解して頂けてはいると思いますが……ではさっそく語らせていただきます。


 自分とギャルゲーの出会いは中学時代の時でした。当時私はバスケ部に入っており、仲のいい可愛い同い年の幼馴染がいたりしました。

 家から学校までは遠く、自転車通学をしていたのですが、朝に会うとそのまま一緒に会話しながら学校まで行く……なんてこともありました。ええありましたとも。

 幼馴染はテニス部で、このままこの子と付き合ったりするのかな……そんな淡い想いを抱いたりもしたものです。

 

 そんなアオハル生活に転機が訪れたのは、中学二年生の時でした。

 タイミングが重なり、幼馴染が来るのが見えた自分は自転車を止めて待っていたのですが、やがてやってきた幼馴染にこう言われたのです。


「彼氏が出来たから、これからは一緒に学校行けないから」


 頭が真っ白になりました。

 脳破壊とはああいうことをいうのでしょう。あるいはBSSでしょうか。

 しばらく呆けた後、なんとか学校まで行けたのですが、その日は一日身が入らなかったことを覚えています。


 後で知ったのですが、幼馴染が付き合った相手はサッカー部の先輩でした。

 顔については触れません。あの年代は年上に対する憧れがありますし、今となっては色々あやふやになってますので。

 なんにせよ、寝取られの定番のような展開に陥った自分は当時大いに落ち込みました。

 部活にも身が入らずぐんにゃりしていたのですが、そんな自分を見かねてか、ひとりの友人がこう言ってくれたのです。


「兄ちゃんがギャルゲーたくさん持ってるから貸してやるよ。それで彼女作って元気出せ」


 なんでその発想に至ったのかは分かりませんが、自分は彼の提案を受け入れました。

 当時の自分はギャルゲーというものをやったことがなく、単純に興味があったのと、ゲーム機をあまり持っていなかったので貸してくれるならなんでもよかったのです。


 そんなわけでPS2ごとゲームを借りた自分は、さっそくギャルゲーをプレイしたわけですが、最初にプレイしたのは泣きゲーとして名高いkeyの名作、Kanonです。

 住んでいるのが雪国であったことと友人にオススメされたのもあり、とりあえずといった気持ちでプレイしてみたのですが……はい、一発で落ちました。

 もう号泣でしたよ、特に舞シナリオと真琴シナリオで駄目でした。

 ちなみに一番好きなヒロインは名雪です。まぁKanonに関しても思い入れが強いので色々語りたさはあるのですが、それはまた別の機会に致しましょう。

 なんにせよKanonをプレイしたことでギャルゲーにどっぷりハマった自分は、佐祐理さんルートを含む全シナリオをクリアし、意気揚々と友人に聞いたのです。


「オススメしてくれたKanonスゲー良かったよ!」


「お、それは良かった」


「次にやるやつでオススメある?」


「んー、そうだな。それじゃ、君が望む永遠とかいいんじゃね?」


「君が望む永遠ね。オッケー!」


 …………これが後々まで後悔することになる、友人との会話でした。

 

 いいゲームをオススメしてくれたこともあり、友人の言葉に全く疑いを持つことなく自分は君望をプレイし始めました。

 最初はサクサクプレイし、特にこれといった選択肢もなかったため、「あ、これヒロイン固定で一本道なのか」と思ったものです。

 (ちなみに当時の自分はロングな髪が好きだったため、メインヒロインの遙より水月派でした)

 しかし話を進めていくと、山場もあり友情もあり、いいシナリオだな……と感慨深く思いながらも、短めで終わるのかなと不安になったりもしました。


 ですがその予想は、大きく裏切られることになります。


 ネタバレになるから詳しくは言いませんが、衝撃でした。

 前情報もなにも仕入れずにプレイしたため、とにかく衝撃でした。

 茫然としながら突如始まったOPを見つめたのです。


「え、もしかしてここからが本編なのか……嘘だろ……」


 ……嘘ではありませんでした。本編でした。

 選択肢とかで回避とか、そんな生易しいものはありませんでした。

 そしてその後の内容も、全く易しいものではなく、容赦なくプレイヤーに選択を突きつけてきます。


 選びたくない。やめてくれ。吐きそうになりながら選択肢を選ぶものの、主人公はほぼ言うことを聞いてくれません。

 今思い返しても、あんなことが許されるのでしょうか。自分は許されないと思います。

 ふざけんなよ主人公……!と憤りながらプレイを続け、時折吐き気と激しい動悸に襲われながら迎えた終盤。

 

「なんでだ……なんでひとりしか選べないんだ……」


 当時の自分はハーレムの存在を既に知っており、その選択を選べるものだと思っていました。

 でも、君望にはありませんでした。絶対に選ばないといけなかったのです。

 クリアした後、自分は泣きました。Kanonとは違う方向でひたすら泣きました。

 謝りながら泣きました。遙、選ばなくてごめん、本当にごめんと……。


 あの時、自分の性癖は壊れたのだと思います。

 多分脳破壊を食らいました。その結果、ハーレムよりもひとりの女の子を苦しみながらも主人公が選ぶ話が好きになってしまったのです。

 今の自分の性癖を形成した作品のひとつであることは間違いありません。

 多分ギャルゲーをプレイしていなかったら、小説を書くこともなかったと思います。

 …………そう思うと、やらないほうが良かったかもですね。

 もっと別の小説書けてたかもなので。まぁもしもを言ったらキリがないのですががが。


 全てが終わり、学校へと向かった自分は友人の胸ぐらを掴みました。

 リアルで「お前ふざけんなよ!」と言ったのは、後にも先にもあの時だけです。

 まぁなんだかんだその後もギャルゲーをプレイし続けたのですが、時たまギャルゲーの中には劇薬と呼べる作品が混ざっています。

 この後に語る予定のメモリーズオフシリーズもそんな作品でした。

 あの作品とホワイトアルバム2によって、自分はまた新たな性癖を開拓することになるのですが、それはまたの機会ということで。


 今の時代、中々ノベルゲームに触れる機会は限られるとは思いますが、これだけは言わせてください。


 ギャルゲーはいいぞ。それではまたどこかで。

 

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