カフェイン
清明
第1話
コーヒーを飲めない君へ。
朝、目覚めの一杯にコーヒーを飲む人は多いだろう。
私もよく飲む。
もっとも今日は目覚めではなく徹夜明けの一杯だけども。
ほっと一息つけるこの時間はコーヒーブレイクと言うそうだ。
そういえばあの頃、そろそろコーヒーブレイクしよう、と同僚に声をかけるのは私の役目だった。
その度同僚は、コーヒーを飲めない人に配慮が無い言葉だ、と言っていた。
そして決まって、カフェイン取るならお茶で十分、と。
今はどうしているのだろうか。
連絡しなくなって随分と経った。
コーヒーとお茶。カフェインを摂取するあの時間は好きな時間だった。
軽い雑談をして、軽く笑い合う。
今、一人でコーヒーを飲んでいるこの時間も悪くはないけれど。
連絡しようと思えば出来なくもない。
お互いの歩む道が別れてから自然と連絡しなくなっただけで。
連絡してみようか。
いいや、今はそんな余裕はない。
このコーヒーを飲み終えたら、やらなければいけない事が待っているのだから。
君は今何をしているのだろうか。
今でもコーヒーを飲めないのだろうか。
元気でやっているだろうか。
そうであると嬉しい。
こっちは……少し眠気があるくらいで、体調は悪くない。
その眠気もこのカフェインが吹き飛ばしてくれるだろう。
ごちそうさま。
さあ、もうひと頑張り。
カフェイン 清明 @kiyoaki2024
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