第13話 地獄(学校)

「あああああああああああ……………」

今日は学校初日だ。

最悪だ。

恥ああああずうううういいいいい。

「葵?凛空の作った解毒剤使えば?」

「その手があったか!」


「いい?葵君、この薬は2時間で切れる。でも、切れたらその後連続して服用しないでね?服用するなら連続で4回まで。いい?」

「あ、はい」

え…

8時間か…

今日は幸い集会→下校だから8時間も学校にいない。

しかし部活の時間を考えるときついかもしれない。

部活やめようかな…

「それが良いと思うよ」

「すみません、勝手に僕の心覗かないでください」

「あ、はい」

こういう所、姉さんに似てるんだよな…


…にしても。

今日はハロウィンだ。

こんな日に謎の学校休みが再開って、ちょっと不気味な気が…

ちなみに、もう薬は飲んである。

スクールバッグを片手に、現在は登校中である。

そこで-

「あ、葵くん」

クラスメートの愛宕あたごおりさんこと「本崎ほんさきしおり」だ。

実は彼女も配信仲間として仲がいい。

彼女のアカウントも結構有名で、「ワールズ系Vcuber※」として活動している。

ワールズ攻略をするVcuberで、今では山ほどいるが、元祖は栞だ。

栞は7歳の頃に両親を失ってから、頼れる人も居ないので親の遺した物を駆使してVcuberを始めたそうだ。

楽しみでやっている俺とは大違い。

先輩で、尊敬している。

「栞か」

呼び捨てだけどな。

「今日さ、なんか嫌な事がありそうな気がするんだけど…」

「え」

栞はワールズ攻略で【ゴミスキル】と呼ばれて【危機察知】という能力を持っている。

便利なので、栞は常時発動させている。

俺はそもそも持っていないが。

「…ハロウィンフール、だよな?」

「それを言うならエイプリルフール。そして、違うよ」

「………」

うわあ。

終わってるって。


さて、集会だ。

「皆さん、この休みの間に、ワールズ何人の生徒が死亡したでしょうか。答えは18人です」

18人も…

そういえば、担任の先生がクラスで2人亡くなったって言ってたな…

嫌な予感、俺もしてきた気がする……

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