第1話

これは、私と親友の物語。



「はじめまして。お名前なんて言うの?」


それが君と私の最初の出会いだった。

私は臆病で、人見知りで、愛想が悪くて。

まるで、捨てられた子猫のようだった。

汚れていて、足手まといで。

人から好かれる要素なんてどこもなかった。

そんな私に君は話しかけてくれた。

君がいなかったら、今の私はいなかったなあ。

とにかく、ありがとう。


天城あまぎ小夜さよちゃん?」


君は私の名前を呼ぶ。

とても愛らしい、可愛い声で。

あの時の君を、私は一生忘れない。


私は人に話しかけられることに慣れていなくって。

隣の席だったのにだんまりしてて。

帰る道も同じだったのにずっと黙ってて。

ほんと、今考えたら申し訳なかったなぁ。

ごめんね。

君は私に縛られるべきじゃなかったんだよ。

輝く君は、もっとその笑顔を他の人に

向けるべきだったんだよ。

でも、君はどうしようもなく優しくて。

どうしようもなく可愛くて。

私は君にずっと甘えちゃってた。

君は私の心をいつの間にか溶かしてくれて、

私は君がいなくちゃ駄目な人になっちゃったんだ。


君の笑顔には、力があった。

いや、違う。

力がある。

今も、昔も。

君の笑顔は、可愛くて、美しくて。

でも、どこか儚げ。

私は、君に惹き付けられた。

君に依存しすぎてしまったんだ。

君にこんな期待をかけるなんて、間違ってるってわかってた。

期待しすぎちゃ駄目ってわかってた。

でも、君に魅力されてしまったんだ。

――ただの小一、和泉いずみ 陽茉莉ひまりに。

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