【短歌】夏の思い出/小学生
kozen-ta
夏の思い出/小学生
プール出て楽しみにしてたお稲荷さん不思議糸引き食べられず
海パンを下着脱がずに穿く技を習得した9歳夏
プールの天敵光化学スモッグ網で追いかけ集めて捨てる
体操着プール清掃五時限目夏のはじまりスイッチ入れる
夏なのに太る友だちん家で飼ってた犬が吠えまくりこわくて
テレビでは心霊番組お昼から目が開く絵を見て口開けて
みどり色の羽根のみどりが濃くてタイマーはこわれてる扇風機
耳から流れる生温かい水分夏を皆勤した証
どれだけ灼けたか競争でみな黒いがひとりハワイ灼けといい
下敷きで仰ぐと先生も我慢してるぞと一喝。あ、パワハラ
※時代的にパワハラはなく、完全なフィクションです。
夏休み中のど真ん中登校日嬉しかったり照れちゃったり
縁日が開かれる神社に行く。すきな子に会えると信じてて
色付きそうめんが食べたくて何回も麺をとるつるつるすべる
西瓜の種飛ばし近くに落ちる縁側赤いふたの塩混じり
南部鉄瓶の風鈴の音 昼寝に誘われ夢で戯れ合い
はじめての徹夜は十二歳ラジオから流れるロックは渋く
夏休みまでの日にち数え休みになりあと何日か指折る
夏の昼寝の寝起きの麦茶うまさ風呂上がりのカルピスに勝つ
塾帰りこん君とふたり秘密のパン屋さんは社交場
【短歌】夏の思い出/小学生 kozen-ta @kozen-ta
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