第6話 闇に潜む影
佐々木一輝は屋敷の呪いを解いたかに見えたが、心の中にはまだ不安が残っていた。ある日、彼は近隣の村人たちから新たな失踪事件の話を聞かされる。呪いは解かれたはずだが、村人たちは再び恐怖に包まれていた。一輝は、この屋敷にはまだ解決していない謎があると確信し、再び調査を始める決意を固めた。
一輝は再び屋敷の奥深くを調査し、隠された部屋や秘密の通路を探し始めた。彼は地下室の奥にもう一つの隠し扉を発見した。扉を開けると、そこには古びた書物や儀式の道具が散乱している部屋が現れた。部屋の中央には、奇妙な模様が彫られた石の台があり、その上には古い巻物が置かれていた。
一輝は巻物を手に取り、そこに書かれた呪文や儀式の詳細を読み始めた。巻物には、西村家の家長が呪いを封じ込めるために行った儀式の詳細が記されており、失敗した理由も記されていた。儀式には特定の順序で道具を使用し、呪文を唱える必要があるが、過去の儀式はその手順を誤っていたことがわかった。
一輝は巻物の指示に従い、道具を正しい順序で配置し、再び儀式を行う準備を始めた。彼は過去の失敗を繰り返さないように慎重に進め、呪文を暗記し、正しい手順で儀式を行うことを誓った。
満月の夜、一輝は再び地下室の儀式の部屋に立った。彼は冷静さを保ちながら呪文を唱え始めた。道具を正しい順序で配置し、石の台の上に立つと、再び囁き声が耳元で響き渡った。「ササ…サワサワ…」囁き声は以前よりも強く、一輝の意識を乱そうとした。しかし、彼は集中力を保ち、呪文を続けた。
魔法陣が微かに光り始め、部屋の壁に影が踊り出した。影の中から現れたのは、かつてこの屋敷に住んでいた西村家の亡霊たちだった。彼らは一輝に向かって手を伸ばし、助けを求めるかのように囁き声を強めた。「お願いだ、呪いを解いてくれ…」亡霊の声が一輝の耳に直接届く。彼は恐怖に震えながらも、儀式を続けた。
魔法陣の光がますます強くなり、囁き声は次第に消えていった。突然、部屋全体が眩しい光に包まれ、一輝は目を閉じた。光が消えた時、一輝は再び静寂の中に立っていた。囁き声も、亡霊たちの姿も完全に消えていた。彼は儀式が成功したことを確信し、地下室から出て屋敷の外へと向かった。
一輝が外に出ると、冷たい夜風が彼の顔に触れた。彼は深呼吸をし、新たな希望を胸に抱いた。呪いが完全に解かれたことを確認し、彼は屋敷を離れる決意を固めた。彼の心には、新たな冒険と再出発への希望が宿っていた。
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