職業作家が書く大人気ない読書感想文

作家:岩永桂

食事は面倒な事柄か?

職業作家が書く大人の読書感想資料集

誕生日プレゼントとして、自分に、母親に一冊の本を買った。

『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子/著


元々、電子書籍で持っていた本だ。それでも買った。

一つは、紙媒体として残したかったから。

一つは、母親とディスカッションしたかったから。

「食事」というテーマも核となる内容だったが

「人間関係」「職場恋愛」も外せない。


久し振りに「読書」という行為に耽(=ふけ)った。

前者「食事」を一つのイベント行事と捉える人の話。芦川さん、押尾さん

後者「食事」を恨み、面倒な事柄と片付ける人の話。二谷さん

後者に共感は出来るか?

突飛だとも思えないが、作る過程で盛り上がることがあるのが食事。

レトルトカレーに納豆をトッピングするだけで

美味しさが、マイルドさが断然違うが

このひと手間を嫌って、納豆カレーを成立させない手はない。


掲示板でこの本を「ブレずに一つのことを書き切っている」と解説したら

「意味不明だ」と嗤われてしまったが

本書を読んでもない人間が、読解力のない人間が

同じ土俵に立って相撲を取るとはどういう了見だ?

正確には「野球なら野球、と決め打って書いてある」と解説した。

「純文学やエンタメならスポーツとぼかすのに……」

「アイスキャンディーを支える木の棒のような安定感」

という二文を添えて。


本屋大賞の「成瀬は天下を取りにいく」は

西武ライオンズに白羽の矢が立っているが(誤解を後で釈明)

一見、テーマをミニマム指定しているようで

扱いはスポーツなんじゃないかと考察する。

「狭義」の球団「広義」のスポーツという見解だ。

真に書きたかったのは成瀬あかりの躍動。

そういう見方で裁断しても、暴挙と言えるだろうか?

(完全に暴挙! 本書を購読して出直して来い!)

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