カラオケ

天川裕司

カラオケ

タイトル:カラオケ



ト書き〈カラオケ店〉


「世界が終わるまではあぁあ〜〜〜!!♪」


私たちはその日、カラオケに来ていた。

私は歌があまりうまくない。みんなはうまい。

だから少しでも上手くなりたかった。


「ミオちゃん、次ミオちゃんの番だよ♪」


順番が回ってくる。1人ならいいけど、

やっぱり、皆の前で歌うのはちょっと恥ずかしい。

でもカラオケは好きだ。そのカラオケは皆で来るもの。

1人で歌う方がいいなんて言ってられない。


仕方なく、18番の歌を歌った。

アイドル歌手の歌。

その歌手はもうずいぶん前になくなっていて、

今では時の人的存在になり伝説だ。


でも私はこの人の歌がめちゃくちゃ好き。

歌がめちゃくちゃ下手な私だけど、

この歌は歌そのものが良いので、なんとか化けると思い

とりあえず歌った。


すると…


「えっ!?」

「おぉ…」

「なにこれめちゃくちゃ上手いじゃん」


皆の私を見る目が変わった。


「ミオちゃんどうしたの!?めっちゃ上手いじゃん!練習したんだ♪」


「え…?」


練習も何も、いつも通り歌った私。

アイドル歌手のように上手く歌えていたらしい。


でもそのウマさが余りにウマ過ぎたので、

みんな次に奇妙な目で私を見始め、

その部屋を専門家に調べてもらうまでになってしまった。


「どうしてここまでするんだろう?」


そう思っていると、衝撃の事実が…!?


その部屋のマイクを通して歌った声色は、

その歌ってる本人の声紋と全く違うものになっていた。

そう、誰が歌ってもその声は、あのアイドル歌手の声紋と一致したらしい。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=oI-KJKwLYQg

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カラオケ 天川裕司 @tenkawayuji

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