第21話 天使と悪魔の約束

天使「ありがとうございますだ。為子さんと和子さん。気合が入りましただ。よーしっと……♬花の天国 落ち目の地獄~♬」

悪魔「チョイ、チョイ。なんだとお~?」

天使「♬雪も桜と なりて舞う~♬

悪魔「くそぉ。ちきしょう。ハア、ヤッショオ……おい、良夫」

良夫「も、もう、こうなったらやけだ。(悪魔を促すように)はいっ……」

悪魔、良夫「ヤッショオマカショ、シャンシャンシャン」

天使「良夫さん、そうやけにならんと。最後はカバーしますけん。はい、ラスト。♬揃た揃たあよぉ、為子と和子~」

悪魔、良夫「チョイ、チョイ」

天使「♬これがあ、おいらぁの宝物~♬」

悪魔、良夫、為子、和子「ハア ヤッショオ マカショ! シャン シャン シャン」

天使「ありがとうございましただ。皆さん。んで、良夫さん……」

良夫「は、はい」

天使「おらは、ハア、いまの歌通りに必ず、ご一家をお守りしますけん。お約束致しますだ。大事な宝物の為子さんと和子さん……特に和子さんをば決してこのやろ、悪魔の自由にはさせません」

良夫「そ、そうですか。なんだか知らないけど、あ、ありがとうございます」

悪魔「なんだと?この野郎。和子は俺のものよ。さっきそう云っただろ。おい、良夫……あ、いやさ、良夫お父さん。おめえの娘は俺がよろしく導くから心配するな。この俺様がおめえの義理の息子になってだな、きっと幸せにしてやるから。な?」

良夫「は、はい」

悪魔「いいか、俺の配下になってみろ。あ?そしたらな、金も地位も思うがままなんだぞ。こんなケチな田舎野郎の云うことなんざあ屁でもこいとけ。いいな!」

良夫「はいっ!」

為子「なんですって?金も地位も思うがままですって……?それは耳寄りな話だわねえ。だったら私、和子をあなたに嫁がせるわよ」

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