第8話

 春は思う。


 どうして、そんなことが言えるのだろうかと


 「私は優から大切な人を奪ったのよ、ただでさえ、私にとって優は大切な妹を守ってくれた恩人なのに」


「・・・」


 『はーい!!春の負けねぇ』


『そんなぁ、』


『じゃあ、春が罰ゲームで付き合ってきて』


あの時の私は他人を見る目がなく、馬鹿にしてばかりだった。


 だが、彼と付き合ってたから嫌な程のその自分の愚かさを知った。


 そして、今も・・・


「恩人じゃないじゃん!!関係ないよ!!夏は!!」


「・・・何言ってるのアンタ??家族を守ってくれた人なんだよ。恩人だよ。」


「別に夏が守って貰った訳じゃないし」


 「妹が守ってくれたんだから私も当然よ」


「違う!!それは勝手に夏がそう思い込んでるだけ!!」


彼女達は、久々に再開したのにこんな会話を繰り返していた。


 二人は理解していた。お互いに言っていることはただの感情論だと、


 だけど、二人は会話を辞めなかった。相手を罵倒して同時に自分の方が罪が強いと主張しあっていたのだ。

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