第6話 4人の眷属

 俺はSS級探索者になり、翌日には協会が新たなSS級探索者を発表した。


 ネットでは、様々な意見が出た。『新たな英雄の誕生!?』や、『ダンジョン攻略はフェイク動画!?』等など否定的な意見も多くあった。


 まぁ、これに関しては実績を積んでいけば問題ないだろう。そんなことより今は、久しぶりに眷属達に会いたい。そんな事を考えながら俺は眠りについた。


 翌日、リビングの方が騒がしかったのでその音で起きた。  


 「今度は、私達です!」


 「そうです!葵ばかりずるいです」


 「それは、夜様が決めることです」


 どうやら、あいつ等が来たようだ。


 「おはよう、久しぶりだなお前達」


 そこに居たのは、4人の美少女たち。こいつらは、全員俺の眷属だ。一人は葵。その他の3人は、白髪の小柄の女の子は白。その隣にいる、黒髪の白にそっくりの女の子は黒。この二人は、双子だ。そしてもう一人、桃色の髪のおとなしめの娘は、桃香。ちなみに全員俺が名前を付けた。けして、適当ではない。


 「「「おはようごさいます、お久しぶりです夜様」」」


 「で、何を言い合ってたんだ?」


 「次に、血を飲んでもらうのは誰かを決めてました」


 こいつら、なぜか血を飲んで欲しがるんだよな。前に理由を聞いたら、俺との繋がりを強く感じられるらしい。


 「そんなん誰からでもいいだろ」


 「「なら、私達の血から飲んでください!」」

 

 「わかったよ」


 そういって、俺は白と黒の血を飲んだ。やっぱりこいつ等の血は美味い。


 「夜様、私の血も飲んでください」


 桃香が、遠慮がちに言ってきた。


 「こっちにおいで」


 桃香に近くに来てもらい血を飲んだ。さすがに朝から飲みすぎた。お腹いっぱいだ。


 「夜様、私は?」


 「また、今度な」


 「そんなぁ〜」


 葵が、ガクリと肩を落とした。


 今日はダンジョンに潜る予定もないので、家でゆっくりする予定だ。久しぶりに、こいつ等と過ごすのは楽しみだ。


 「葵、S級ダンジョンはもうないのか?」


 「日本には、昨日新たにS級ダンジョンが発見されました。まだ発表され出ませんが。S級ダンジョンは、世界に13個あります。アメリカに3つ、ロシアに4つ、中国に2つ、インドに1つ、イギリスに1つ、フランスに1つ、そして日本に1つです。」


 「意外とあるな、でも前に攻略したやつで最高難易度らしいからな、あんまり期待できないな」


 「いえ、他国のS級ダンジョンは配信されてないのでもしかしたら難易度も、もっと高いかもしれません。それに、スタンピードを起こした、ダンジョンから出てくる魔物は普段より強いですよ」


 「それは、少し期待してもいいかもな」


 「そんなことより夜様、なでなでしてください」


 白と黒は甘えん坊だから、よくなでなでを要求してくる。可愛いから別にいいけど。その日は、1日中ダラダラして過ごした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る