第4話 伝説の始まり

 「皆さんこんにちは」


 葵の挨拶とともに配信が始まった。


 「今日は東京にある、SS級とも呼ばれているダンジョンにリベンジしにきました」


:うぉぉー!!!!

:頑張って!!

:期待

:今度こそ

:頼む、日本がかかっている

:二人だけ?

:無理じゃね?


 空中に映し出された文字が、高速で流れてくる。


 「今回は、スケットも呼んでいます。ちなみに、私より強いです」


:葵様より、強い?

:アメリカのガルシアかな?

:いや、アメリカは来ないだろ


 「夜様、こちらに来てください」


 葵に呼ばれたから、葵の横に立った。ちなみに、もうダンジョンの中にいる


:誰?

:夜様?

:???

:ちょ、イケメンすぎるだろ

:カッコいい

:葵様の横に立つな


 「このお方は、夜様。最強のお方です」


:葵様がメスの顔してる

:助かる

:最強?

:ちよ、後ろ後ろ

:は?ドラゴン

:なんでこんなところに

:オワタ

 

 後ろを、向くと体長50mほどのトカゲがいた。俺が、無人島にいたとき最後に戦ったやつに似ている。楽しみだ。


 「クックック、面白い。葵、手を出すな」


 葵がいつでも戦えるように、構えていたので止めさせた。


 「わかりました。」


:二人で戦わないと意味なくない?

:粋がるな

:葵様に命令するな


 俺が前に出ると、ドラゴンは、口から火を吹いてきた。俺は、口に魔力を含ませ息を吐いた。その瞬間、ドラゴンが吹いた灼熱のブレスが消えた。


:??

:え?

:何が、起こった?


 俺は、魔法を使って、刀を創った。それを、左手で持ち、ドラゴンの、真上に飛んだ。そして、落下するとともに刀を振った。すると、刀はドラゴンの首を、簡単に落とした。


 ドラゴンは、霧になって消え、ドラゴンが消えた所には、直径50cmほどの、魔石があった。


:ドラゴン瞬殺?

:魔石デッカ!!

:強すぎだろ!

:うぉぉぉ!

:夜様、最強

:最強

:最強

:↑もう、信者いて、草


 ダンジョンは、何層もの階層がある。基本的には、10階層ほどある。だが、このダンジョンは、索敵魔法で確認した感じ100階層あった。


 「葵、いっきに最下層までいくぞ。つかまれ」


 「いっきにですか?どうやっていくんですか?」


 「転移魔法を使う」


 「転移魔法!!、わ、わかりました」


:転移魔法?

:なに、いってんの?

:冗談も、ほどほどに


 葵は、驚いていた。まぁ、これは無人島にいたときに創り出したものだし、仕方ないか。葵がつかまったのを、確認して転移魔法を発動させた。


「こ、これは、すごい。さすが、夜様です!!」


 「まぁな、ちなみにここは、100階層だ」


 「100階層!?、ここが最下層ですか?」


 「あぁ、そうだ」


:まじか!

:さすがに、嘘だろ

:嘘松、乙

:さすがに、それは誰も信じない


 どえやら、俺は嘘つき扱いされているらしい。


 「ここは、100階層だ。それを、今から証明する」


 そう言うと、俺は目の前にある大きな扉を開けた。


:ボス部屋じゃん

:え、ガチ?

:協会の調査によると、このダンジョンは10階層以上あるらしい。それが本当なら

:一瞬で、10階層以上移動したってこと?


 扉を開けると、額に角を生やした人型の魔物がいた。 


 「こんにちは、人間。ここまで、来るとはそこそこ、やるようですね」


 「葵、魔物は喋るものなのか?」


 「い、いえ、しゃ喋る魔物なんか、聞いたこともありません」


 葵は、少し震えていた。


:なに、こいつ

:喋ってんだけど、魔物が

:画面越しでも、怖いんだけど

:俺、めっちゃ震えてるんだけど


 「大丈夫、葵。すぐ、倒すよ」








 この魔物は、世界に激震を走らせた。それと同時に、夜の存在が伝説となる瞬間だった。


 

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