応援コメント

連作集「青の時代」「地の毒」「廃墟画家デジデリオ」」への応援コメント

  • とりあえず、
    3つの連作から1首ずつ採ってみますね。

    「青の時代」
    夜々遊ぶ青い振り子の玉が揺れ鉄の天使に滅び歌わす
    「地の毒」
    唇にねじ込む歌は「人形を創る罪悪」味わって、愛
    「廃墟画家デジデリオ」
    我が夢は悪魔・道化師・砂の街 笛の音誘う地底都市行く

    1首目。滅んだのは何なのか。ミステリアスですね。
    2首目。「人形を創る罪悪」を無理矢理歌わされながらも、
    最終的には愛を感じるところがユーモラスで面白いです。
    3首目。地底都市を行くデモーニッシュな孤独感に惹かれます。

    相変わらずの濃厚な歌の群れに、
    酔いしれながら楽しませていただきました。

    作者からの返信

    いつもありがとうございます。

    「地の毒」と「廃墟画家デジデリオ」の裏テーマはラヴクラフトかもしれません。
    三首目に引用してくださった「地底都市」はラヴクラフトの「時間からの影」や「無名都市」のイメージを利用して作りました。この二作は砂漠地帯の話なのです。

    実は「廃墟」の小説家としてのラヴクラフトは中々ユニークで、「インスマウスの影」や「狂気の山脈にて」などの代表作には彼の廃墟好きがよく現れています。
    ちょうどラヴクラフトが尊敬していたポーの「アッシャー家の崩壊」などとも廃墟というテーマで繋がってきます。

    「廃墟画家デジデリオ」は短いながらも昔ながらのゴシック・ホラーの感触を持たせました。

    「青の時代」はとことん技巧的で硬質です。
    五・七・七という第三句〜第五句を短歌の難所と考え、ここをあえて先に作る裏技で十五首作ってしまいました。
    「鉄の天使」のように人工的なイメージに自然な歌の流れを曲げる裏技を合わせ、独特な「青」の世界を構築するのが目標でした。