誰かがくれた物語

サイトウ

プロローグ

「写真撮るよ~」

遠くに映る観覧車、灰色のフェンスに、同じような形をした木、そして腰ぐらいまでの高さの看板の後ろに横一列に並ぶ僕ら。

左手を挙げる彼。

柔らかい機械音で残りの秒数を数えるカメラを前に

“右手の人差し指を握って“笑顔になった。

そしてカメラの音が鼓膜に響くとき、僕は。

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