第30話
「‥何しているんですか!先輩達!」
続けて、寒川先輩も
「本当なにしてるんだ!二人とも!」
声を張り上げた。
目を丸くした3人が私たちの方を見る。
「何って。真由香と話してただけだよ」
寒川先輩から目をそらした。
「なにを話してたんだよ」
呆れながら、二人に近づく。
「ちょと、さっきの発表について」
腕組みをやめた先輩が言う。
「なんだ。そんなことか」
「何だって、何よ!」
部長はすぐに言い返した。
「六車、後輩…唐渡さんも、佐々木さんもそう思っているよ。そんなことって」
さらっと嘘をついた。
「寒川先輩?私、そんなこと思ってませんけど?」
私も言い返した。
こんな事言われても千紗は言い返さない。
まだ、困惑しているようだ。
「思ってなかったら言ったらいいやん」
「えっ?言えませんよ。先輩にそんなこと」
小さく寒川先輩にしか聞こえないよう言う。
「言わなかったら今のままだよ?未来の部長」
「…はー‥わかりましたよ」
なぜか、寒川先輩の言うことは聞いてしまう。
常に無の顔をしている寒川先輩だが、こういうお願いごとをするときは笑顔を見せてくれる。
おかしい人だ。
「部長、先輩」
優しく声をかける。
「お願いです。一旦、この部室から出てくれませんか?」
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