第25話

階段の手前で未央を見つけた。

速歩きして声を掛ける。

「未央、おはよう」

「あ、おはよう。今日は朝練ないの?」

「うん、ないよ」

「そうなんだ。あっ、そうだ。優奈、聞いてくれない?」

「なに?」

「私ね、今日の発表会出ることになったんだ」

嬉しそうに話す。

「へー、なんでなの?」

「弥生ちゃん…同じ部活の子が体調崩しちゃたかったから私が代わりを頼まれたの」

「よかったね」

「うん!」

今日は短縮授業。

部活動発表会があるからだ。

授業時間が45分・4限になって、25分休みがなくなる。

第一昼休みが30分から10分に延び、掃除がなくなった。

1年生だけじゃなく2・3年生も発表会に参加するからたぶん部活ない人はいつも帰る時間と変わらないと思う。

まぁ、私は部活があるからいつも通り6時なんだけどね。

数学、情報、美術、英語と眠たい授業と目が覚める授業を学んだ後私は未央に、

「今日は一緒に食べれない」

と謝って部室へと急いだ。

なんで旧校舎って遠いんだろ。

もっと近かったらいいのに。第一体育館みたいに。

小走りで向かう途中、先輩と会った。

「あら、佐々木さん」

「先輩。部長と一緒に行かないんですか?」

先輩と部長は同じ3年4組なのだ。

一回クラスを通り過ぎた時に、二人を見たのだが別々の人と話していた。

このとき、仲悪いのかと思ってしまった。

「うん。なんで私が夏帆と一緒に行かないと行けないの?」

「あっ、すみません…」

「なに謝ってんの?佐々木さん?」

「いや、余計なことを聞いてしまったと思ったので」

「余計なこと?」

目にかかった髪をどかしながら首をかしげる。

「その…部長と一緒に行かない‥こと?を」

「別にいいよ」

そう言って微笑した。 

「そうですか。…ありがとうございます」

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