第7話 『明日の☆SHOW』

夜が明ける頃、福山雅治の「明日の☆SHOW」がスタジアムに響き渡る。直樹は、追い詰められた状況にもかかわらず、最後の一手を打つための計画を練っていた。彼の心の中にはまだ未練と復讐の炎が燃えていた。


「これが最後のチャンスだ…」直樹は心の中で呟きながら、ポケットから小型のデバイスを取り出した。これは、スタジアムの照明と音響システムを一時的にダウンさせるためのもので、全ての混乱を最大限に引き起こすために用意していたものだった。


「家族のために、これだけは…」直樹はデバイスのボタンに指をかけるが、その瞬間、彼の目には香織と涼介の姿が映った。彼らは自分を追い詰める決意を胸に、こちらに向かってきていた。


香織は直樹の最後の一手を阻止するために、涼介と共に全力で走っていた。直樹の手にあるデバイスが危険なものであることを直感で感じ取り、何としてもそれを止めなければならないと強く思っていた。


「もう逃げられないわ、直樹さん!」香織は叫びながら、直樹に向かって突進した。涼介も同時に動き、直樹の腕を捉えようとする。直樹は一瞬の戸惑いを見せるが、香織の鋭い目が彼を射抜いていた。


「これで終わりよ、チェックメイトです!」香織は冷静に宣言し、直樹の手からデバイスを奪い取る。涼介もすぐに直樹の腕を掴み、彼を拘束する。直樹はついに観念し、肩を落とした。


「お前たちには負けたよ…」直樹は悔しそうに呟いたが、その声にはどこか安堵の色があった。


福山雅治の「明日の☆SHOW」がクライマックスを迎える中、香織と涼介は直樹をスタジアムの警備員に引き渡し、事件の全貌を説明する。観客たちは何も知らずに、ライブの感動的なフィナーレを楽しんでいた。


香織と涼介はステージの裏から福山雅治のパフォーマンスを見守りながら、事件が無事に解決したことに安堵の息をついた。「これで、本当に終わったわね…」香織は涼介に微笑みかけた。


「そうだな、香織。これからも俺たちは、この街のために戦い続けるさ」と涼介は力強く答えた。


「明日の☆SHOW」がフィナーレを迎え、観客たちの歓声がスタジアムに響き渡る中、香織と涼介は新たな一歩を踏み出す決意を胸に、次の挑戦へと向かうのであった。


「これで終わりにしよう…全てを、未来のために。」

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